後ろから走ってきた中高生ぐらいの少年に、追い抜かれたが、追い抜かれたあとは、こちらも彼についてゆくつもりで、走ってみた。僕のいつものペースより少し速いが、このところの雨で2日ほど走っていなかったし、涼しいので、ちょっとがんばるのも気持ちがいい。数百メートル、同じ真っ直ぐな道を、少年の後ろを走る。軽いのぼりでは、こちらが、追いつき、平地では、また少しはなされる。少年は、時々こちらを振り向く。彼も抜かれまいと、ちょっとペースを上げているのかもしれない。こちらもくいさがる。楽しいレースも、僕の折り返し地点で終わり、少年ともお別れ。復路では、自分のペースで走るが、どっと汗。少年の、ウサギのようなしなやかな走り、体力の違いは歴然であった。20年前なら僕も、少年を軽々追い越せるスピードで走っていたろうなぁ、とその頃走っていた道を、ちょっと懐かしく思い出した、夜なのであった。

洋司