電車の中で見かけた男子高校生が、ものすごく、知っている人に似ているのであるが、誰であったか、思い出せず、じろじろ見、目が合いそうになると、視線をそらす、などということをしばし、してしまったのであった。笑えば、さらに、その目元が、そっくりなのに、その人が誰か、わからない。つい最近会ったはずだが。もちろん、ご本人にお会いすれば、その方がどなたなのか、わかる自信はあるけれど、その自信も、こうなると怪しいものである。思いがけない場所で、思いがけない人に会った場合、あれ? ということは、ありそうである。たとえば、KAKADOのスタッフの方と、KAKADOでお会いすれば、当然、KAKADOのスタッフの方だとわかるけれど、山手線の中で、ふいにお見かけして、すぐにわかるかどうか。あとで気が付いたが、この高校生男子、KAKADOのスタッフの方に、瓜二つ、なのであった。

洋司