習字をはじめてから、一月半ちょっとになるか。毎日、少しの時間書いている。墨の磨り具合い、水の量、筆先、紙、温度や湿度でも、微妙に何かが変わるのは、大変面白いところである。面白いと思ってやっている。女性書道家の方が、上手く書けない、と泣きながら書いた紙をくしゃくしゃにしている場面を、テレビで見たことがある。僕のほうは、上手く書けなくても、泣くことは、まずない。上手く書けたら、泣くかもしれない。

洋司