顛倒夢想(てんどうむそう)。般若心経に出てくる、物事をさかさまにとらえ、妄想に悩まされる、というようなこと、なのである。ある、般若心経をやさしく解説してくれる本に、「まじめ」に「正直」に暮らせることが、そのまま幸福なのであり「功徳」なのです、と。「功徳」というものを「善行をつんだ報い」あるいは「善行に対する見返り」と考えないようにしましょう。「善行」そのものが「功徳」なのですよ、と。我々、つい、これだけ頑張ったのだから、いいことあるよ、と思うものであるが、頑張れること自体が、幸福だということである。そういえば、そんなことを、祖母が言っていたような気がするのである。
洋司
洋司