霞がかかっていて、丸い月のまわりに、丸く虹。七色のガスの衛星が浮かんでいるようで、面白いのである。月に人が住んでいなかったのが、どうも残念。もし住んでいたら、地球側の技術でいえば、1960年代には、交流が持てて、今頃には、普通に行き来していたのだろう。
アーサー・C・クラークは言っていたそうだ。何千年か未来には、人は、夜空の星の、どれが地球だか、探せなくなるだろう、と。
縄文、弥生時代など、ほんのちょっと前のような気がするが、それから今までの、たったそれだけの時間の未来にと思うと、その間には、月に誰かが住んでいる時代もあるかもしれないし、月と地球との遠距離を歌う歌なども、できるかもしれないし、そして、そういう時間もいつか、古の昔、という日がくるのだろう。何千年も生きられるわけがないし、生きたいとは、まったく思わないけれど、どこかで、そういう場面を見られるような、気はするのである。

洋司