安倍なつみさんに書かせていただいた「息を重ねましょう」の詞の中に「あなたは時々まぶしそうな目で微笑むでしょ」とかいう箇所があって、そこを取り上げて、あれは、普段メガネをかけている男性が、メガネをはずしている場面で、そういう状況というのは云々、となかなかに色っぽい解説をしてくださっているブログを、拝見したことがある。
また、別のところでは、上戸彩さんに書かせていただいた「Breath Of My Heart」と重ねて、久保田洋司は、息を、艶っぽいものとして表現する、というようなことを書いてくださっていたり。
聞いてくださる方が、それぞれに受け取ってくださるのが一番で、感想などいただけるのは、本当にありがたいことである。
そういえば永作博美さんのいらしたribbonに「Deep Breath」というのを詞曲で、書かせていただいたこともある。ザ ・東南西北の二枚目のアルバムが「深呼吸」といって、英語では「Deep Breathing」と書いていた。そのあたりに、きっかけがあるような気がするのである。
万葉集の時代は、人の息が立ちのぼり、雲になったと考えたそうで、柿本人麻呂の「春楊 葛城山に立つ雲の 立ちても坐ても 妹をしそ思ふ」など、雲を見て、恋人を、その呼吸を思ったとか。息を通して、万葉の時代とつながるようで嬉しいのである。

洋司