「The American Fork Blues Festival 1962-1966」というDVDのシリーズが出ていて、僕は大ファンなのである。いわゆる再発見されたデルタ・ブルースマンから、エレクトリック・バンド・スタイルの人たちまで、この人の動く姿は、他では見られまい、という人たちも多く登場する。はじめて見たときには、その圧倒的な存在感や内からほとばしり出るブルースや信じられないテクニックに、驚くばかりであったが、何度も見るうちに、そういう人たちも、ステージやテレビカメラの前で、なにかしらの緊張やポーズなんかがあるんだとわかってくる。いい意味で。勝手にそう思うだけであるが、身近に感じるようになる。なにしろ、こちらに歌いかけてくれているのであるから、もう40年前の映像なのに、今そこで歌っているように、生々しく、強く迫ってくる。僕も、ライブが近いもので、こういう映像を見ると、いろんな思いが込み上げてくるのである。

洋司