カーリーヘアーの続きになるが、偶然電車で、見事なカーリーヘアーの男性を見かけたのである。あの自然な感じ、天然に違いない。昨日、ここに云々したばかりだったので、もうちょっとで話しかけるところであった。「見事な御髪ですね」と。しかし、知り合いには、天然カーリーヘアーが悩みだと言う人もいる。人に迂闊なことは言えないものである。僕は、少し伸びるとあちこち中途半端にハネていけないのであるから、ボブ・ディランのようなヘアースタイルに憧れもあるのである。ボブは、髪が広がっていれば広がっているほど、いいアイディアがわくのだ、と言っている。それがアンテナのような役割なのだと。本気なのか冗談なのかは、本人にもわからないことかもしれない。しかし、僕についてみてみれば、髪が長いときのほうが、いい成果があるような気が、しなくもない。ま、気のせいかもしれないし、もしかしたら、髪が伸びるのは、そういう理由からかもしれない。ジョン・レノンとボブ・ディランが、65年か66年に、一緒にタクシーに乗っていて、ジョンがボブに、そのヘアースタイルでいる気持ちは、どんなものなのか、聞いたのだとかなんとか。すごいタクシーである。

洋司