クラウス・フォアマン、僕らはクラウス・ブーアマンなどと言っていたものである。ま、ドイツの人の名前だから、日本語で書こうとすると、難しいのであろう、なにしろ、さっぱりわからないのであるが、発音としては、ブーアマンのほうが近いらしい、とまだ言うが、そのクラウス、ビートルズのメンバーと、ビートルズがハンブルグでの下積み時代に友達になり、以来、リボルバーのジャケットのデザインやら、ベーシストとして、メンバーのソロでのセッションやら、もちろんご本人も有名バンドで活躍したり、もう、紹介だけで、長くなるが、見た目は、僕のライブでもお世話になっているベースの戸田吉則さんによく似ていて、ダンディーである。「ザ・ビートルズ/リメンバー」っていう本を出していて、本当のところを書きたかったと。クラウスとしては、知りもしない人から、見てきたようなことを書かれたり言われたり、し続けられたことは、非常に心外であったというようなことを、まえがきで書いているけれど、内容は、友人としてのビートルズのメンバーへの愛情のこもった、ま、僕らファンが読んでも、嬉しくなるようなことである。前に読んだ、ジェフ・エメリックの書いたビートルズとも、重なるし、また、当然全然違って見えるところもある。すぐそばにいて、同じ時を過ごしていても、感じ方は、それぞれ、全然違うのである。ボブ・ディランの伝記や自伝を読んでいると、ビートルズのことが、まったく脇役なのである。80年代に、よく知りもしないのに、ボブ・ディランの「バイオグラフ」を買って、あまりの量と、たぶん輸入盤だったせいで、さらにわからず、すぐ挫折したけれど、今は思いがけず、はまり込んでいる。今までこれを知らなかったのかと、惜しい気持ちになることが、いっぱいあるけれど、これからたくさん知れるということが、楽しみである。
洋司
洋司