ランボルギーニ・カウンタックを運転してみたいと思うことがある。運転してどこかに行きたいわけではない。運転してみたいだけだ。免許はない。
子供のころに、スーパーカーショーに行ったことがあるような気がする。展示されているスーパーカーの絵を描く会だったかもしれない。僕はジャガーを描いた気がする。非常にあいまいな記憶となっている。カウンタックがあればそれを描いたろうが、人気があって、そのまわりにも近づけなかったか。カウンタックLP500Sがあったような、僕はその運転席に座ったような。ようするに、あまり車のファンではないのである。
それでも、ランボルギーニ・カウンタックの運転をしてみたいと思うことがあるのは、どうしてなのか。誰かを乗せたい気などない。必ず一人で運転したい。その辺の道を走りたくない。車の意味がないわけである。あの形を把握したい。
そういえば、赤いカウンタックの模型を持っていた。近くで眺めることができるが、簡単に眺めきれて、欲求がすぐに満たされてしまうのが、惜しかった。

洋司