ナオミという名前は、谷崎潤一郎の「痴人の愛」の中では、ちょっと外国の人の名前のようだというように書かれていて、思いがけない気がしたものだ。僕らが子供の頃には、学校の同級生にも何人もナオミさんがいたし、日本の女子の名として定着していたろう。外国の名前のような気はしなかった。今の子供たちには、あまり見られなくなった名かもしれない。外国の人っぽい名前なら、今はいくらでもあろう。ちょっと違うかもしれないけれど、ジョンとポールといえば、ヨハネとパウロ。ピーター、ポール&マリーは、わざとねららってそういう名前にしたという。ペテロ、パウロ、マリアかぁ。「ヘイ・ジュード」は、ユダヤの人たちの反発もあったそう。スティーリーダンの「彩」とか「菩薩」とかいうタイトル、かっこいいなと思う。昔、バンドでビートルズのコピーをやったときに、メンバーの名前を、語呂合わせした。僕は、クボタ・ヨージ・ハリスン。他、カノウ・ジュン・レノン。シミズ・シンゴ・スター。オーイケッカートニー・シゲフミ。おかしくて、メンバー紹介できず、メンバーからしかられた。うちは5人編成だったので、5人目のというわけで、ジョージ・イリチン・ヨースケ。なぜにイリチンか。苦しいところではあったが。いや、外国の人のようである。でない。
洋司
洋司