幽霊の日。1825(文政8)年、江戸の中村座で「東海道四谷怪談」が初演されたと。徒然草、第二百六段には、怪しみを見て怪しまざる時は、怪しみかりて破る、などとある。怖いと思うから、なにを見ても怖いような気がする、というのとはまた違って、本当に怖いものを見てさえ、怖いと思わなければ、その怖い現象は、怖い現象ではなくなるというような。幽霊を見ても、怖いと思わなければ、お化け屋敷は成立しなくなるというような感じ。さっそく「幹事」が出た。で、いざ「幹事」と打ちたい時に「感じ」が出てくるんだから、なかなかに怪しき。怪しまざることにするまで。
洋司
洋司