「ハード・デイズ・ナイト」のビデオで、ジョン・レノンのギターのコードの押さえ方をはじめて見たとき、僕などが中学校のときに覚えた押さえ方とだいぶ違っていたので、驚いた覚えがある。
中学の頃はビデオなんかないから、「ハード・デイズ・ナイト」はレコードと写真で知ってるだけだ。「イフ・アイ・フェル」なんかのEフラットでも、僕の知っている中学生コードでは、どうも違う感じがしていたが、ビデオのとおり押さえると、レコードと同じような響きがして感動したものだ。
中学のときは映画館で「レット・イット・ビー」を一日中居座って見て、「ゲット・バック」とか「ディッグ・ア・ポニー」とか「アイヴ・ガッタ・フィーリング」なんかのジョンのギターの押さえ方を知って非常に感動し、家に帰って早速、そのとおりに押さえて、もうアップルのビルの屋上にいるような気持ちになったものだ。
本当のところはどうなってるんだろう、ってところを知れるというのは大変嬉しい。「ハード・デイズ・ナイト」の最初の音は、本当のところは、どうやって押さえて、何と何の楽器がなってるんだろうと、いろんな本で研究されてて、面白いんだけど、高校生のときにコピーしてコンテストとか出てたら、広島のヤマハのおじさんが、あれはね、といろいろ解説してくださったのも非常によくて、そのとおりにやると、そういうふうに聞こえて、さすが広島のヤマハのおじさん、って思ったものだ。尾道からすると、広島は大都市だったからね。

洋司