ウグイスはどうしてああいうふうに鳴くのか、いろいろ考えて、真似したりしてみた。人が言語を発するのとは違うやり方で、ああいうふうに言うのだろうからと、喉を駆使して真似てみたが、できない。親鳥の真似をするのか、勝手にそう鳴くのか、うまく鳴いたものは子孫の繁栄につながるのか、とにかく、わけあってそういうふうに鳴いているんだろう。鳥は人の言葉だって真似して鳴くから、どこかでやっぱり、なにかの真似をして、ああなってるところもある気がする。ウグイスに限らず。正調というか、定石というかがあるんだろう。ロックンロールのスリーコードなら、次はサブドミナントみたいな。お師匠さんがいて。ホオジロなどは「一筆啓上仕り候」という。室町時代の世阿弥近辺あたりが、鳥に教えたのが、正調として受け継がれているということはなかろうか。ない。
洋司
洋司