録音した自分の声をはじめて聞いたときの違和感はよく覚えている。地球上で自分では決して聞けない人物の声を聞いた瞬間。気持ち悪いのは、自分が思っているより、もたって聞こえる感覚。もたる、とは、リズムなどがすこし重く遅れたりする場合に使うミュージシャン言葉だと思うけど。空気を通る音声の、不自由さというか、海底で話しているような重さ。体の中で鳴ってる音そのものが、空気を通ってきた音の低域をある程度フィルタリングしているんだね。実際の声は自分で思ってるより、重くどんくさく聞こえるよ。それにしても、録音することを吹き込むって言うけど、なんだかきれいだな。
洋司
洋司