中学に入った時に買ってもらった辞書をずっと使っている。英和など、青のボールペンで名前を書いているが、非常に下手な字で恥ずかしい。国語の辞書は、毎日開く。ザ・東南西北の「緑の国」というアルバム用に、詞を書いているとき、言葉が思いつかなくて、この辞書を、最初から最後まで、全部の言葉に目を通した。意味まで全部読んだのではないけど。そんなことをしても、特にいいのが書けるわけはない。そのときに、4文字の言葉を探していて、結局「カナリア」みたいなものしか、出てこず、大変困った。

そういえばこの辞書、まえにも書いたが、「切ない」とか「恋愛」とか引くと、なんだか面白い。太宰が何かに「恋愛」と辞書を引くと云々と、書いていたのを読んで、真似してみたところ、僕のこの辞書の「恋愛」は、「特定の異性に特別の愛情をいだいて、二人だけで一緒にいたい、できるなら合体したいという気持ちを持ちながら、それが常にはかなえられないで、ひどく心を苦しめる(まれにかなえられて歓喜する)状態」なのだ。広辞苑には、さらりと「男女間の恋い慕う愛情」とだけ書かれている。僕の辞書の方は、どうも偏りが感じられるが、歌謡曲っぽくて好きである。三省堂 新明解国語辞典 第三版。ならば、広辞苑はJポップかな。

洋司