「2月26日にはささやかな二人の絆」という歌詞に触れたときには、びっくりしたものである。サザンオールスターズの1981年のアルバム「ステレオ太陽族」の中の「素顔で踊らせて」という曲である。「あのころオレは15歳」って、ジブラの曲にあるが、そのころ僕はまさに15歳で、このアルバムを聞いて青春を送っていたのである。

シンコーミュージックから出ている「アルバム新譜シリーズ」の「全曲集ギター弾き語り」の譜面も買って、もちろん弾いて歌っていたのであるが、この楽譜集、リード・ギターのタブ譜もついていたり、メンバー一人一人の、このアルバムのレコーディングの感想やら、曲への思い入れやらのコメントが出てたり、桑田さんの、全曲のマニアックな「演奏解説」が4ページにもわたってあり、さらに編集者の曲解説もあり、ライブ中のメンバーの写真などもとってもよくって、大好きな本である。桑田さんの解説など、「キラーストリート」のより、ずっと良かったりして。

「けだるく歌ってみると雰囲気が出ると思います」とか「初恋の人のことでも考えて口ずさんでみたらどうでしょうね」とか、中3の僕は、わくわくしながら読んだものである。「素顔で踊らせて」のところなど見ると、「(前略)ラテンのボンゴとかCPなんていうのがフューチャーされてるわけなんですけれども、結局、これね、四部構成っていうのかな、ぼくたち、メロ、ワビ、サビとか言ってるんですけれども(後略)」って感じ。「ラッパとおじさん」って曲では、「ちなみにサイド・ギターは桑田クンです。あれはとってもうまいですね」とご自分で。歌中で聞かれる、クラプトンっぽい、リフみたいな感じのギターのことである。この曲、1コーラス目のあとイントロに戻る一瞬の間が、中学生の頃から不思議で、毛ガニさんにお会いした時、お聞きしたことがある。あの間の意味はどういうことですかと。毛ガニさん「そうだっけ?」と。僕があとで思ったのは、イントロから1コーラスが終わるまでのベイシックのテイクを2コーラス目にそのままもう一度つないで使っている。そのテープのつなぎのタイミングが微妙に拍からずれているだけのことであろう。しかし、非常に微妙で、好きな間である。桑田さんが、ヤマハの、たしかSJ800という、エレキギターを弾いている写真も載っている。ストラトとテレキャスの間の子みたいな面白いギターで、僕など、当時欲しいと思ったギターである。

長くなった。

洋司