コメントありがとうございます。
詞は、いつも、皆さんに口ずさんでいただけるものを、と思って作ります。新しい驚きと感動のために、頑張ります。
 
昔、「トランポリン」って歌で、「君は空に帰ってゆく天女のよう」と天人を書き、「僕はキスを強請(ねだ)る」という歌で、「浮世絵にも土佐日記にも」などと、キスの出典を書いた。ロックやポップスの詞に、天女も珍しいと思うが、土佐日記は、史上初だろうと、当時、プロデュースのムーンライダーズの岡田徹さんに、言っていただいた。キスの出典など、僕が調べたわけではなくて、心理学か何かの本にたまたま出ていたのを、歌詞にしたのである。

しかし、新しい、いい歌を聞くと感動したり、うらやましく思ったりする。
すごいなと思ったのは、僕は、ジブラ。詞に出てくる物品は、天女や土佐日記どころではなく、すごい韻が次々繰り出されて、感動する。ほかのラッパーたちのものも聞いてみて、いいのもたくさんあるけれど、僕は、特にジブラが好きである。そろそろ、ニューアルバムが出る。ものすごく楽しみである。

もうすぐ出るキャプテンストライダムのニューアルバム(2月15日発売「108DREAMS」)では、僕は、ジブラで学んだことを、僕なりに、精一杯書いたものがある。「サイボーグ」という歌の韻など、是非、聞いていただきたい。「十五夜」などは、いつから数えて十五夜なのか、というところで、聞いていただければ、男の迂闊さや身勝手についての歌である。「メトロのメロス」など、現在の「走れメロス」で、激怒も出来ずに、メトロにゆられる男、メトロ(目と口)で青空を探す。「バースデー」、右を見ろ! It's all right、森を見ろ!It's 鴎外、ビーナスだ見ろ! こういうことをすっぽり、軽々許容できる、キャプテンストライダムは、本当に、すごいバンドだと思うのである。

洋司