毎日のジョギングコースに、車が一台止まっていたのである。近づいてみれば、エンジンがかかっており、中に一人いらっしゃる。ま、気にせず通り過ぎるのであるが、このジョギングコースは、ゆるい坂を行ったり来たりするもので、引き返した僕は、すぐにまたこの車の横を通ることになる。まったく気にせずに、通り過ぎるつもりでも、どうも、ちょっと、いつもよりかっこつけて、スピードも上げて走るのである。
車の人は、別にこちらのことなど、見てないかもしれないけれど、一旦通り過ぎ、またすぐ同じやつが戻ってくれば、あ、こいつはさっきのやつだと、いくらかは気になるかもしれない。エンジンかかってるし、車はすぐにいなくなるだろうな、と思っていたが、また同じところにさしかかれば、まだいらっしゃる。そして、まだいらっしゃる。おかげで、今日は、だいぶよく走ったのである。
僕も、時々ジョギングをしている人を見かけるが、その人については、とくに考えない。走るほうは、走ってる間、いろいろ自意識が働いて、よけいなことなど考えていたりするものであるが、それを見かける人にとっては、わりと一瞬のことで、なにも気にしてなどいないことと思う。
洋司
車の人は、別にこちらのことなど、見てないかもしれないけれど、一旦通り過ぎ、またすぐ同じやつが戻ってくれば、あ、こいつはさっきのやつだと、いくらかは気になるかもしれない。エンジンかかってるし、車はすぐにいなくなるだろうな、と思っていたが、また同じところにさしかかれば、まだいらっしゃる。そして、まだいらっしゃる。おかげで、今日は、だいぶよく走ったのである。
僕も、時々ジョギングをしている人を見かけるが、その人については、とくに考えない。走るほうは、走ってる間、いろいろ自意識が働いて、よけいなことなど考えていたりするものであるが、それを見かける人にとっては、わりと一瞬のことで、なにも気にしてなどいないことと思う。
洋司