「修二と彰は、違うのか」と電話で母から言われたが、あれは僕が書いたのではない。僕の弟の名は修司という。母が「修二と彰」という時の、シュウジの発音は、弟を呼ぶ時と同じで、面白いのである。
件の修二役は亀梨和也であるが、僕と同い年の「はとこ(またいとこ)」は和也という。弟もはとこも、人気者と同じ名前で、なんだかうらやましい。弟については、太宰治(本名津島修治)と同じで、前からうらやましい。

先日、ある方から、干支の絵が描かれた素敵な木箱に入った楊枝をいただいた。
はじめは、僕の名前に引っ掛けてのことかなと思ったりもしたが、その方は、もう二十数年、毎年、その楊枝を年賀にされてるのだそうである。真打の落語家の方である。その方の名の入った手拭もいっしょにいただき、感激である。楊枝は「さるや」という、創業300年の日本で唯一の楊枝専門店のものである。
「さるや」のホームページを見れば、

「さるや」という店名の由来は、元禄年間の文献に記されている「さるの歯白き故に楊枝の看板たり」によるもの。
そんな老舗の「さるや」の楊枝は古来より上等とされる黒文字という樹を使用している。熟練の職人でも一日2000本しか作れないという。この貴重な楊枝は粋で繊細にして、今もなお江戸名物の一つとされている。

とある。
これを年賀に選ばれる、その方のセンスも素敵である。

で、「ようじ」といえば、「よーじや」。あぶらとり紙などで有名である。創業は明治37年。名前の由来は、当時「楊枝」と呼ばれていた歯ブラシを商っていたことによるそうである。

子供のころは、やはり、「つまようじ」といわれたことのある僕であるが、粋にして繊細、いいじゃないか。

洋司