昔、父が、出かけるとき、身だしなみに、玄関で髪にスプレーをしたのだと思う。僕は子供だったので、そのスプレーのにおいというか、ガスだったのかもしれないが、それを吸い込み、気持ちが悪くなったことがあるのである。身だしなみは大切なことであるが、僕はそれから、においものに弱いのである。

鼻がそんなにきくほうではないと思うが、ふとしたにおいで、案外に気持ち悪くなることがよくある。
15年ぐらい前に、アロマテラピストをやってるとかいう方と話したことがあって、そのときには、不思議な仕事もあるもんだと思ったものであるが、今ではにおいの研究もずいぶん進んでいるようである。仕事がはかどるにおいとか、記憶力がよくなるにおいとか、いろいろ聞く。いいにおいに違いないのであろうが、僕の場合は、いいにおいだと知りながら、気持ち悪くなっていたりする。無臭というのも味気ないものかもしれないが、ギターポリッシュなども、香料は混ぜないのがいい。

洋司