人になつく動物とは、すごいことである。
もしも、人間が、もっと大きくて力のある生き物に、飼われるときがあるとしたら、いい子になって、飼ってもらえるだろうかと思うと、なかなかに、難しそうである。
そういう生き物が出てきたら、だいたい、やっつけてしまおうとするかもしれない。変身などして、必殺技で倒して、正義と平和のために、となるかもしれない。

「ドラドラ キュッ キュッ」という、蚊をドラキュラにみたてた歌を「みんなの歌」で見た。ちょっと古い歌だったと思う。「オイラは~」などと、調子よく歌うわけである。
人の血を吸うのは、雌の蚊だ、というのを僕は、大人になってから知ったような気がする。あの高く小さい音で飛んでくる、あの形、あの色、もう、完全に敵だと思ってしまう。蚊の雄も、血を吸うやつだと思われて、はたかれたりするのである。

神社とかで、神主がふる、白いぎざぎざの紙がついてるやつ。あれは、蚊を近づけないためだとか聞いたことがある。生き物をむやみに殺さないように、あれで、おっぱらうと。
かわいがられようが、憎まれようが、人間の周りの生き物は、人間という怪物がそこにいながら、よくともにいるものだと、思ったところである。

洋司