窓の外で工事は続いている。
まだしばらくはかかるようであるが、西日のあたるこの窓から、太陽が見えなくなる日も、遠くなさそうである。それを思うからか、今日の西日は強烈で、窓を閉めていても太陽のにおいをぷんぷんさせているような気がした。
目と鼻の先で、一日中、釘が打たれており、コンクリートを回したり流したりすると思われる機械が、激しい音で動いている。が、そういう音は、あまり気にならない。まだ寒かった頃から、だんだん日差しも強くなる中、ずっと外で作業をしておられる方々の力の音である。
ふと、僕の曽祖父が大工だったことに思い当たる。
会ったこともないし、どんな人だったのか、あまり話も聞いたことがない。
祖父が養子だから、直系というところではないようであるが、詳しくは知らないのである。
その曽祖父が、実家の家を建てたのであるが、玄関入ってすぐの天井の柱の組み方が、非常にユニークというか、何度見ても、どうやって作っているのかわからない。かなり独創的な、たがいに曲がりあった柱が、ある箇所でぴったりと交差し、また思いがけない方に伸びて、それが家を支えているのである。
大池君がこのあいだ、それを見たとかで、君んちの柱、すごいねと、しみじみ言った。
蔵にあった誰も使わない数々の大工道具。かんな、など、なんだかわからずに、こどものころに、雑に扱った覚えがある。大事に使われてたことがあったものだろうなと、今ごろになって思うことである。
僕といえば、ギター、少々ぶつけようが、雨に濡れようが、なんだか、物を大事にしない者のようである。
洋司
まだしばらくはかかるようであるが、西日のあたるこの窓から、太陽が見えなくなる日も、遠くなさそうである。それを思うからか、今日の西日は強烈で、窓を閉めていても太陽のにおいをぷんぷんさせているような気がした。
目と鼻の先で、一日中、釘が打たれており、コンクリートを回したり流したりすると思われる機械が、激しい音で動いている。が、そういう音は、あまり気にならない。まだ寒かった頃から、だんだん日差しも強くなる中、ずっと外で作業をしておられる方々の力の音である。
ふと、僕の曽祖父が大工だったことに思い当たる。
会ったこともないし、どんな人だったのか、あまり話も聞いたことがない。
祖父が養子だから、直系というところではないようであるが、詳しくは知らないのである。
その曽祖父が、実家の家を建てたのであるが、玄関入ってすぐの天井の柱の組み方が、非常にユニークというか、何度見ても、どうやって作っているのかわからない。かなり独創的な、たがいに曲がりあった柱が、ある箇所でぴったりと交差し、また思いがけない方に伸びて、それが家を支えているのである。
大池君がこのあいだ、それを見たとかで、君んちの柱、すごいねと、しみじみ言った。
蔵にあった誰も使わない数々の大工道具。かんな、など、なんだかわからずに、こどものころに、雑に扱った覚えがある。大事に使われてたことがあったものだろうなと、今ごろになって思うことである。
僕といえば、ギター、少々ぶつけようが、雨に濡れようが、なんだか、物を大事にしない者のようである。
洋司