缶詰。食品を缶につめ、加熱、滅菌し、堅く封をして長くとって置けるようにしたもの。外出、連絡を禁止した状態で、人を一箇所にとどめて置く意にも用いられる。
例「旅館に―」。古い辞典では、「旅館」だったが、新しいものだと、「著者をホテルに―」となっていて、面白いところである。
僕は基本的に、家で仕事をしている。いえば缶詰である。よそに行く時も、だいたい宿題持ちで出かけ、それは、ホテルの部屋か、実家の仏壇の前で書いたりするのである。
太宰など、力を入れて書きたいときなど、出版社から前借して旅館などに行ったのであるが、これには、いろいろ事情もある。
太宰は斜陽が売れても、6畳、3畳に流し、ほどの小さな借家に、家族5人で住んでいて、そこに、学生やら、出版社やら、読者などが、ひっきりなしに出入りするもので、仕事にならぬのである。近くに秘密の仕事場をいくつか設け、朝8時から弁当持って出かけ、夕方までがんばる。原稿用紙5枚が精一杯と本人は言う。夜には、お酒の飲めるところで、集まる人らに、ふるまう。食料やお酒の手に入らない時代である。そうとうお金を使ったようである。集中して、大仕事をする環境ではなかろう。それでも、戦争中から直後にかけて、他の作家に比べたら、よく書いている方だそうである。戦争中の非常に明るく面白いものも僕は大好きである。
久々、太宰のことで、話は長くなっている。もっと書きたいところであるが、缶の話である。
缶詰は、中身がメインであろうから、いえば、作家さんたちは、桃、パイナップル、まぐろ、さけ。ま、ただその辺を書きたかっただけである。
洋司
例「旅館に―」。古い辞典では、「旅館」だったが、新しいものだと、「著者をホテルに―」となっていて、面白いところである。
僕は基本的に、家で仕事をしている。いえば缶詰である。よそに行く時も、だいたい宿題持ちで出かけ、それは、ホテルの部屋か、実家の仏壇の前で書いたりするのである。
太宰など、力を入れて書きたいときなど、出版社から前借して旅館などに行ったのであるが、これには、いろいろ事情もある。
太宰は斜陽が売れても、6畳、3畳に流し、ほどの小さな借家に、家族5人で住んでいて、そこに、学生やら、出版社やら、読者などが、ひっきりなしに出入りするもので、仕事にならぬのである。近くに秘密の仕事場をいくつか設け、朝8時から弁当持って出かけ、夕方までがんばる。原稿用紙5枚が精一杯と本人は言う。夜には、お酒の飲めるところで、集まる人らに、ふるまう。食料やお酒の手に入らない時代である。そうとうお金を使ったようである。集中して、大仕事をする環境ではなかろう。それでも、戦争中から直後にかけて、他の作家に比べたら、よく書いている方だそうである。戦争中の非常に明るく面白いものも僕は大好きである。
久々、太宰のことで、話は長くなっている。もっと書きたいところであるが、缶の話である。
缶詰は、中身がメインであろうから、いえば、作家さんたちは、桃、パイナップル、まぐろ、さけ。ま、ただその辺を書きたかっただけである。
洋司