子供のころは、よく海辺で遊んだ。
埋め立て地の堤防を越えて海に入れば、泥と石ころなどの浜に、イソギンチャクなども沢山いて、波に揺れるその触手に触れば、ひゅっと引っ込めて小さくなる様子など、非常に面白く、不思議な気持ちがしたものである。
浜辺の小さなイソギンチャクなど、触ってもなんともないが、もう少し大きいやつは、毒針をもっていて、危険である。
今となっては、僕も海に入ることなど皆無である。イソギンチャクに刺されることは、ない。そういう生き物がいるということすら忘れて、日々、暮らしている。

ところで、カクレクマノミは、なぜ、イソギンチャクの手の中にいても平気なのか。
それは、粘膜がバリアしているからである。

洋司