大変ご無沙汰いたしました。

宵の椿のホームページにお越し頂き、ありがとうございます。

 

店主 椿伸之には昨年3月に大きな病気が見つかりましたが、ハードな治療を強い気持ちで乗り越え、今年3月には「ここまでくればひと安心」というところまで回復いたしました。

しかし翌月からまた少しずつ体調が悪くなり、この度はなかなか原因が特定できず、6月に入ってようやく分かった時にはもう前向きな治療ができないところまで病状が進んでおりました。

 

そして6月22日、椿は旅立っていきました。

最期の2か月だけは多難な日々でしたが、それまでは自由でのびのび思いっきり好きな事ができた、楽しく充実した人生でした。

いつでも料理の事ばかり考えている主人ですので、宵の椿を始めてからは大勢のお客様に料理を褒めていただき、とても幸せそうに精進する日々を送っておりました。

お客様みなさまに心より感謝いたします。

椿の遺志により葬儀は家族のみで執り行いました。また弔問弔電お香典お供物などは固くご辞退申し上げます。

みなさまには宵の椿のこと、主人のこと、主人の作る料理のことを時々思い出して頂ければ、椿と私は幸せでございます。

 

宵の椿につきましては、主人の料理が無くては成り立ちませんので閉業するしかないと考えておりましたが、これまで主人と私で力を合わせ子供を育てるように大切にして参りましたし、たくさんの思い出が詰まっていることを想うとどうしても手放しがたく、パン屋「墨繪(すみのえ)」を経営しております弟と協力して、今までと少し違う形でなんとか店を残せないか話し合っているところです。

私が世界一おいしいと思っている椿の料理はもうお召し上がり頂けませんが、主人の愛した場所で、祖父が戦後すぐに新宿で立ち上げた飲食店の心を受け継ぐ「墨繪(すみのえ)」のおいしいパンをメインに、近隣の方々に便利にお気軽にご利用いただける店にリニューアルできたらと考えております。(まずはパンの販売からスタート、少し落ち着きましたらイートインできるようにし、簡単なおつまみとアルコール提供もしていきたいです。)

店の事はなんでも自分一人でしたい主人でしたので、なにも分かっていない私は還暦間近のこの歳で一から勉強し直しとなりますが、お客様の「おいしい!」というお言葉と笑顔が大好きだった主人と同じ気持ちでがんばって参ります。

これから準備が始まるところですので、どうなるかまだ分かりませんが、進捗状況などこちらのホームページと宵の椿のXにてご報告させて頂きます。

 

これまで本当にありがとうございました。

 

       宵の椿 椿久美子