「婚約とは、将来結婚しようという当事者間の予約のことをいい、婚約を不当に破棄すると、婚姻予約不履行による損害賠償責任が認められます。

 それでは、婚約はいつから成立しているといえるのでしょうか。

 民法には、婚約に関する規定がないので、どのようなときに婚約が成立するかは、条文上明らかでありません
  ただし、これまでの裁判例によれば、「婚約が成立するには、結納や特別の儀式、形式がなくとも、当事者である男女が誠心誠意、将来夫婦になる合意さえあればよいと考えられています。
 そして、この「誠心誠意、将来夫婦になる合意(真実夫婦として共同生活を営む意思)」があったかどうかの判断は、二人の合意が第三者(親、兄弟、友人など)にも明らかにされたかどうか、二人の同意に基づいて新たな生活関係が形成されたかどうか、継続的な性関係があったかどうかなどという事情をもとに、総合的に判断されます。

 ご相談の場合、あなたと彼女がすでに恋人関係を解消していたことや、あなたがそもそも妊娠の中絶をお願いしに行っていたこと、彼女の家族に囲まれ圧迫されていた中での婚約の意思表示であったこと等の事情から、あなたは窮地を切り抜けるためにとっさに婚約を口にしたに過ぎず、あなたと彼女との間で、誠心誠意将来結婚の合意があったとまではいえないのではないかと考えられます。
  よって、本件では婚約が成立していないと考えられるので、あなたは、婚約破棄による損害賠償責任を負う義務はないでしょう。

 仮に、彼女の側が婚姻予約不履行による損害賠償を裁判で起こしてきたとしても、彼女の側が、二人の間に将来結婚しようという確実な合意があったことを具体的に主張・立証する必要があるのです。
 そして、ご相談の場合のように、結納の授受や、婚約指輪の交換など、儀式その他慣行上婚約の成立と認められるような外形的事実が全くないケースでは、婚約の成立を立証することは実際には非常に困難であると考えられます。

公正証書とは?

公正証書とは、公証役場(日本全国に約300か所近く存在する)で勤めている公証人とよばれる人たちが法令に基づいて作成する公文書のことです。
公証人のほとんどが、定年退職した元裁判官・元検察官・元法務省職員出身者であり、その高度な法律知識と30年以上という法律実務経験を基に、離婚に限らず、遺言や金銭の貸し借り、土地建物の売買・貸し借りなどの様々な取り決めや契約等を依頼者の求めに応じてそれらを公正証書に仕上げます。

離婚協議書と公正証書は何が違うの?公正証書を作るメリットって?

一言でいうと、強制執行力があるかないかです。そんなことを言われても、いまいちよく分かりません。
これは実際に相手が約束を守らなかった場合、目に見えて理解することができると思います。

まず離婚協議書では、約束を守らない相手にちゃんと約束を守ってもらうようにするためには、必ず裁判を起こさなければなりません。その裁判の過程で裁判官から「ちゃんと離婚協議書に□□さんは、○○さんに対して養育費を支払わなければならないと書いてますね、それだったら約束を守らない□□さんの財産(給料など)を差し押さえてもいいですよ!」という許可(確定判決)を得てから、強制執行手続きを執らなければならないのです。
時間はかかるし、手続きも面倒だし、費用もかかるし・・・、せっかく作った離婚協議書も結局は裁判を起こさなければならないという最大のデメリットが存在します。

これが公正証書(正式には離婚給付等契約公正証書)ですと、どうなるか?
公証人が作成した文書であるがゆえに、高い証明力が認められ、なおかつ、「約束を守らず、支払いを怠ったときには、直ちに強制執行に服する」旨の強制執行認諾文言を設けておけば、面倒な裁判を起こすこともなく、いきなり相手の財産を差し押さえて権利を実現することができるのです。
せっかく離婚協議書を作られるのであれば、公正証書にされたほうが後々安心です。

紛失したら?

大丈夫です。もし万が一、紛失や破損・劣化したとしても、公証役場で公正証書の原本を、原則20年間保存していますので、申請すれば再発行してもらえます。
もちろん、大事に保管しておくことが一番ベストなんですけどね。

慰謝料って?
離婚における慰謝料とは、不貞行為や暴力行為などによって傷付けられた肉体的・精神的苦痛に対する代償として相手に請求するものです。財産分与や養育費とは違い、相手側にどれだけ非があるか、つまり有責性が大きな判断材料になります。慰謝料の請求が認められるのは離婚後3年までです。
余談ですが、世間では離婚時の「慰謝料」という呼び名を嫌って「和解金」「解決金」などの名目で支払われることも多いようです。他にも慰謝料を財産分与の中に含めて支払うケースもあるようですが、この場合は「財産分与額に慰謝料も含んで支払いました」という文書を残しておかないと後からもめることになりますので注意しましょう。


慰謝料判断のポイント実際に裁判などで慰謝料額が判断されるには、色々な要素や条件が絡んできます。下の表に、慰謝料を請求する側、支払う側、その両方について代表的な要素をまとめておきました。

請求する側 請求される側 両方
精神的苦痛の程度 不貞や暴力など
有責性の程度
婚姻期間の長さ
離婚後の経済的条件 支払い能力や社会的地位 未成熟の子供の存在
婚姻維持のための協力度 離婚をのぞむ気持ちの強さ 親権の問題


慰謝料の相場
芸能人の中には慰謝料が数億円というケースも報道されていますが、不貞行為があった場合でも、通常の夫婦間の慰謝料請求は300万~400万円程度が相場のようです。よく言われている「同居年数×60万円」という数字には根拠があるわけではありません。

高額な慰謝料が認められる条件は、長期にわたる不貞事実があること、相手が尽くしているにも関わらず一方的に婚姻関係を破綻させた、支払う側に十分な資産・収入があること、などです。

当サイトでは慰謝料鑑定の無料サービス をおこなっておりますので、自分のケースならいくら位になるのか知りたい人は判断材料のひとつとしてお役立てください。


夫婦以外の慰謝料請求1 ~ 浮気相手への請求
たとえば夫が浮気をしたことが原因で婚姻関係が破綻、離婚になったケース。こんな場合は夫に慰謝料を請求できるのはもちろんのこと、訴訟を起こして浮気相手(女性)に慰謝料を請求することもできます。

 ● 精神的苦痛をうけた
 ● 浮気が原因で婚姻関係が破綻した

おもに、この2点について浮気相手は責任を負わなければなりません。 慰謝料額の金額は、夫婦の結婚期間、子供の有無、不貞行為の頻度や期間、浮気相手の支払い能力や社会的地位、などから判断されます。だいたいの相場としては100万~200万円で、配偶者(この場合は夫)に対する慰謝料額よりも少なくなることが多いようです。