父が、たいそう大切に保管していた、苔色の ”青漆の一口吸物椀” が五客
あります。
とても薄手で、扱うのが怖いほど軽いのです。
昔、父の祖母が亡くなった時、遠路その地へお参りする為、親戚の叔父、
叔母が休憩しに私の実家に立ち寄ったことがあります。
その折、父の命で私は緊張しながら、このお椀で大阪の「鶴屋八幡」のお汁粉
を出したことがあります。
このお椀を使ったのは、あの時一度きりで今でも良く覚えています。
懐かしい従兄妹達が集まって、父の嬉しそうだったこと、いつまでも会話が
弾んでいたこと etc ・・・・
このお椀は、今でも我が家に大切に保管してあります。
父の想い出と共に・・・・