熱烈なファンである、次男から聞いた、談志のエピソードを紹介します。
その1
弟子から、上納金(月謝のこと)を取る制度のことを、訊かれた(きかれた)時は、
「その質問は、千宗室にも、花柳(はなやぎ)や、池坊に持っていけよ。
なんで、弟子から月謝を取るのかって。」
その2
ある時、中華料理店で、談志と志ん朝と毒蝮三太夫とが、食事をしていて、会計時に
「オイ、まむし。オマエ払っとけ」 「ええー、ここは割り勘にしよーよ」
「馬鹿!割り勘ってのは、皆が不快になるんだよ。お前が払えば、不愉快になるのが
お前一人で済むだろう。」
その3
弟子の談春が、さだまさしの曲を聴かせたところ、しばらく沈黙ののち、
「こいつは、手紙を朗読してるのか?」と真顔で返された。
その4
中村勘三郎が、中村家の古い「半間(はんま)」の所作を公演中に、「いよっ」「うま
い!」など、半間のタイミングで声が掛かるので、「へえー、年配の大向う(おおむこ
う)でも、知っている人は少ない芸なのに・・・」と、よおく声の先に目をこらしてみると
頭にバンダナの談志師匠が・・・・。
「ああ、談志さんなら、知ってるわけだ。」との談。
その5
愛妻家で、この奥さんが、そうじをしない人らしく、談志がそうじをしていたとか・・・。
談志が、「何で、そうじをしないの?」と聞くと、奥さんいわく、
「そうじって、日本中のゴミを、一か所に集めただけでしょう。」と言ったとか・・・・。