こまめに書こうと思っていたけど、案の定間が空いてしまっていたので、更新します。

目下、曲を書こうとしてモチーフをどっさり持ち出してアレコレやっているのですが、結果三つほどにまとまって、それぞれ良い手応えがあるもので困っている状況です。

いうわけで、もしかしたら複数を同時に公開するかもしれないというところです。

しかし、モタモタもしていられない。

知人というか、僕が個人的なファンである、POPPYさんという歌い手さんの誕生日祝いを企図していたのですが、大幅に遅刻。その間にPOPPYさんのセルフ祝い作品が大変なことに。



あっという間にマイリス一万越え。おめでとうぽぴーちゃん!!
歌い手いうものは、常々思うのですが、楽曲制作者よりも芽が出にくいのではないのかなと思います。

何せ差別化がしづらい。

どういった作品でも、評価を受けるためには、その他大勢からの差別化が大事だと思うのです。その昔、言語の差異のことを価値だと言った言語学者がいましたが、なんかそんな感じ。

価値というものが相対的なものであるなら、差異そのものが価値の実態ですね。

楽曲には、演奏や歌唱に比べて差異を際立たせる要素が多くあります。
なので、重要なのは、「いかに共通の基盤を指向するか」になります。
すなわち、比較的自由度の高い制作過程において、どれくらい普遍的な要素を詰め込めるか。

要は、どうやって一般受けするように作るか、ですね。

それは制作者にかかってますので、各々コードなりインストゥルメント構成なりビートなりで、上手く既存の価値のうえに乗っかることが出来れば良い(ただ、ことメロにおいてだけは最近の人は敏感なので「パクリ」の誹りを受けかねませんが)。

対して、歌い手さんの差別化は非常に難しい。

僕が活動(?)しているニコニコ動画では、既存曲やボーカロイドオリジナル曲を「歌ってみた」ものばかりが評価されるのでなおさらです(前掲のポピーさんの作品もしかり)。

差別化できる要素といえば、


・声によるキャラクター性
・音程、声量などの歌唱力そのもの
・録音環境、ミックス技術


が大きいと思います。このうちミックス技術は最近よく重視されてきているようで、歌ってみた専門のミックス担当者なんかも活動しているようです。かくいう僕も一度だけお手伝いさせていただいたこともあります。
そしてこれに加え、第四の要素として、

・ネタ性およびフェイク、メロ改変によるアレンジメント

を挙げたいなあと思いました。これ大事。


少々話はそれますが、僕の知人が談笑中にふと、
「ジャズの復興のためには、たった今アクチュアルな曲を演っていかなきゃいかんなあ」
ともらしたことがありました。

今アクチュアルな曲は何か、と問うと、なんだかはっきりしない様子でごまかしていましたが、この言葉は記憶に残りました。確かにジャズは、もはやスタンダードを失った。昔のスタンダードが今のスタンダードではないことくらいはみんな分かっているだろうと思います。
枯葉、朝日のようにさわやかに、ウディン・ユーのようなスタンダードは、僕自身大変思い入れはあるのですが、今そこらの若い人を捕まえて「どうよ」と聞いても困り顔になってしまうだろうし、そもそも演っている人間が「グッド・オールド」という意識でしか演っていないと思う。

また、別の友人は、その知人の意見を聞いたあとで、
「それよりも、歌手はスタンダードをもっと歌うべきだ。今の歌手はみんな書き棄てのビジネスソングばかり歌いやがってつまらない」
と嘆いていました。ビジネスソングというのが一体どういうものなのかは分からないのですけども。

曲の書き手=演奏者とは幻想なのだという考え方は、ジャズを普段から聴く人間にはなじみのあることですが、近頃のアーティスト、主に売れ線の女性シンガーにおいては、自分で書いて歌うことが受け容れられる重大な要素に挙げられているので、あながち一般的な考え方ではないようです。


さて、話は戻って、「歌ってみた」におけるアレンジメントについて。

いくらアレンジメントとは言っても、原曲を破壊するようであっては意味がないし、かといって楽譜をなぞるような一本槍では埋もれてしまう。ここらへんのバランスが難しいのでしょうけども、どちらかといえば、ここでは「いかに既存のラインから離れられるか」が問題になるのではないかと思います。


ぽぴーさんの作品における英語詞とか、上手い具合のケロ声なんかもそれに入るのだろうと思いますが、最近はこういったアレンジメント能力が求められていると思います。

最近よく伸びている歌ってみた動画でも、何かしらのアレンジメントが加わっていることが多くなってきてます。少し前で言うネタ要素が分化でもしたのかしらん?よく分からないからあまり大きな声で言わないようにしておきます。

何が言いたいか分かりませんが、とりあえず制作に戻ります。

頑張らにゃ。