・  (ラエリアンムーブメント・アジア大陸代表のブログより)

親が自分の子供の学校給食にもっと熱心であってほしいです。

成人のおよそ75%は牛乳を消化できない。でも加工すると消化は良くなります。ヨーグルト、チーズ、クリーム。


学校給食にミルクは不可。ヨーグルト・チーズを。 それも酪農県だけで


酪農県でないところは乳製品出す必要ないですね。地産池消のものを給食に使えばいいのです。


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「安全な牛乳」への道のりは遠かった


 近年の研究で、カエルの皮膚は抗菌性ペプチドの宝庫であることが明らかになってきた。なかには、病院などで悩みの種になっている病原菌(たとえばメチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に対抗する力を持つペプチドも含まれる。つまり、牛乳の中のカエルは、牛乳の保存に有効な手段だったのかもしれないのである。

殺菌中の牛乳(写真:REBECCA SIEGEL)


成人の多くは牛乳を消化できない


 古来、人々は牛乳を飲むために大変な努力をしてきた。

 そもそも人間は牛乳を飲むようにはできていない。乳に必ず含まれる糖質の一種、乳糖(ラクトース)は、ラクターゼという酵素によって分解・消化されるが、ほとんどの人間の体内では、乳児期を過ぎるとこの酵素が作られなくなる。そのため、世界の成人のおよそ75%は牛乳を消化できない。

 

 ラクターゼを失うと、乳糖は人体に害を及ぼすようになる。人間はよちよち歩きを始めるまでに乳を卒業し、次のものへと進むべきだと、自然生化学的な手段を駆使して私たちを促してくれるのだ。「

乳なんて赤ん坊の飲み物。大人になったらビールを飲むもんだ」というアーノルド・シュワルツェネッガーの言葉は、それほど的外れでもなかったということだ

 

 ミルクを“飲める”人たちにとっても、まだまだ道のりは険しい。モンゴル人は馬の乳、ベドウィン族はラクダの乳、ラップ人はトナカイの乳を飲むけれど、何より多く消費されるミルクは牛乳である。ところがその牛乳、20世紀になるまでは危ない飲み物だった。


 18~19世紀には家畜の牛から搾った乳を飲んで死ぬことが多かったのだ。米国中西部では何千という人がミルク病にかかった。リンカーン大統領の母、ナンシー・ハンクスもその一人。いたるところに

繁茂するマルバフジバカマという雑草を、放牧された牛たちが食べることが原因だった。この植物に含まれる神経毒トレメトールは、牛には無害だが、これが混入した牛乳を飲んだ人間は死ぬこともある


殺菌された牛乳(右)ではなく生乳(左)を選ぶ人が増えている。(写真: Megan Myers)


殺菌法はワインのために考案された


 ただし、歴

歴史的に見ると、牛乳が引き起こす最大の問題は細菌である。

 糖質とタンパク質を豊富に含んだ牛乳は、さまざまな細菌の温床となる。その中には結核やジフテリア、猩紅熱や腸チフスなど危険な菌も含まれ、さらに大腸菌、リステリア菌、サルモネラ菌も加わる。1840年代の都市部では、牛乳の最大の消費者である5歳以下の子供の死亡率が最大50%に上った。


 そうした状況下で、細菌学者ルイ・パスツールが考案したのが低温

殺菌法(パスチャライゼーション)。当初は牛乳ではなく、ワインの腐敗防止が目的だったが加熱によって有害な微生物を殺菌するという方法は、同様に牛乳にも応用できることがわかった。


 しかし、低温殺菌牛乳は簡単には広まらなかった。その有効性は明白なのに、人々は新しい技術に懐疑的だったのだ。米国では1900年代初め、英国では1949年になってようやく低温殺菌は義務づけら

れた(日本の牛乳は超高温瞬間殺菌が主流)。こうして子供たちの

命が救われるようになった。



生乳はおいしい?


 ところが現在、ふたたび牛乳の飲み方を巡って議論が巻き起こっている。


 殺菌されていない「生乳」の摂取を薦める運動が再燃しているのだ。生乳を推奨する人々は、処理されていない牛乳を飲むことには多くの利点があると主張する。たとえば健康を促進する酵素や「善玉」細菌、アレルギーや喘息の治療に有効な因子などである。単においしいからという意見もある。


 ただし、これらの利点を裏付ける科学的根拠は十分でない。それに生乳はきわめて汚染されやすいという問題が残っている。移動や

再包装の機会が増えるほど、汚染のリスクも高くなる


 アトランタにある疾病対策予防センター(CDC)によると、生乳が原因で病気になる可能性は低温殺菌牛乳の150倍にのぼるという。なかには腎不全や麻痺を引き起こす重篤な疾患もある。生乳を飲むこ

とについては、メリットよりもリスクの方が大きいと、ほとんどの医師が考えている。米国小児科学会(AAP)は、乳幼児、児童、妊婦は生乳を飲まないように忠告している。

 

 それでも生乳を飲もうと思うのなら、評判が良く信頼できる生産者から直接購入するのが最善だ。何より注意が肝心。カエルをつかま

えておくのもいいかもしれない。

(文=Rebecca Rupp/訳=小野智子)


ナショナルジオグラフィック:


http://nationalgeographic.jp/nng/article/20140811/411221/