IRORIO:


あなたがオンラインショップのページを見ている時に、表示された価格が他の人と同じとは限らない。


大手企業のオンラインショップが、サイト閲覧者に応じて表示価格を変えるという価格差別を行なっていることが、米国ノースイースタン大学の調査 によって明らかになった。

旅行予約サイトや格安航空券サイト

例えば、ホテル・航空券・パッケージツアーなどの予約サイト「オービッツ(Orbitz)」や、格安航空券販売サイト「チープ・チケット(Cheap Tickets」は、ユーザーとしてログインした人には12ドル(約1200円)安い価格を表示するようにしている。


そして両サイトとも、閲覧者にそのことは知らせていない。

使用しているOSでも差別

使用しているOSやPCの機種などに応じて価格差別を行なっている企業もある。


例えば米国の大手旅行総合予約サイト「トラベロシティー(Travelocity)」は、Apple iOSを使ってサイトにアクセスすると、15ドル(約1500円)安い価格が表示される。そして、このことはサイト内にはどこにも書かれていない。


楽天にも出店している、米国の大手DIY用品販売チェーン「ホーム・デポ(Home Depot)」のサイトでは、スマホなどのモバイルデバイスでアクセスすると、値段が高くなる。


デスクトップPCでアクセスした場合よりも、おおよそ100ドル(1万円)高い価格が表示されるようになっている。(ただし、これが確認されたのは英語サイトのみ)

同条件で検索しても結果が違う

国際的なオンライン旅行代理店「プライスライン(Priceline)」のサイトでは、同一条件でパッケージツアーやホテル宿泊などを検索しても、人によって表示される結果が違ってくる。


その人の閲覧履歴や購入履歴に応じて、結果表示が操作されているからだ。つまり、ある人が検索すると、高額な商品ばかりがずらりと並ぶことにまる。これは一種の「価格誘導」と言えるだろう。

違法ではないが、グレーゾーン

このような価格差別や価格誘導は違法ではない。リアルの世界でも、クーポン割引や会員価格などといった価格の優遇があり、これも価格差別の一種。また、売る人がお客に高いものばかり勧めて誘導しても、法的には何ら問題はない。


ただ、「オンラインでそれが行なわれる場合、透明性という点で問題が出て来る。そのサイトでショッピングしている人が、他人がいくらで買っているかを知ることができない。その点が問題なのだ」と、調査を行なった大学の研究者は言う。


つまり、公正とは言えないグレーゾーンに入っている、ということだ。

外資系企業の多くが日本でもショッピングサイトを運営しているが、そちらは大丈夫なのだろうか。

http://irorio.jp/sophokles/20141027/173153/