・  (ラエリアンムーブメント・アジア大陸代表のブログより)

 




孫崎 享 さんの記事です:
Date: Tue, 28 Oct 2014 07:46:30 +0900
Subject: 鈴木邦男×孫崎享 天皇制、現の天皇でなく、「自分の守りたい天皇」を守る右翼思想の流れ


孫崎享×鈴木邦男著『いま語らなければならない戦前史の真相』で、天皇制について論議しています。鈴木邦男氏の発言は極めて重要な指摘がなされていると思います。


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孫崎:


2013年末に安倍首相が靖国参拝する前、天皇陛下が80歳の誕生日に、民主主義と平和を譲れないものとして定めて憲法が作られた、この憲法を守る気持ちでじぶんややっていくとおっしゃった。


いわゆる右翼思想の基本は天皇陛下を守るというのが基本でしょう


その天皇陛下が民主陛下が民主主義を守ろう、平和憲法を守ろうということ、右翼と言われる人達が、今やろうとしていることとは違いますね。


今の政府は天皇陛下を大事にしよう、それを憲法に織り込んでいきましょうと言いながら、現実には天皇の考え方を重視するのとは全く違う方向に行こうとしています。例えば沖縄をどう位置付けるか、多分今の天皇陛下と自民党の間にはだいぶ距離があるようです。政治家は、政治の道具として使うことに天皇の役割を見出していると思います。


天皇制についての考え方で重要な点は、天皇という人の考え方を重視する天皇制と、利用するための天皇制と、2つあることです。


鈴木:(民主主義と平和を譲れないものとして憲法を守るという発言について)


その見解は素晴らしいと思います。


孫崎:鈴木さんみたいに、それを素晴らしいと支持する右翼は何%位いるのですか。


鈴木;少ないでしょうね。いまある憲法は打倒しなければならないと思っている。


孫崎:右翼思想の根本は天皇陛下を重視することでしょう。


鈴木:確かにそうなんですが、実は右翼の思想上それが難しい。例えば二・二六事件で決起した将校たちは昭和天皇の決断で処刑されました。さらには戦後人間宣言をしたのも間違いだと思っている右翼はいるわけです。


そうすると天皇の全てが偉いのでなく、天皇の理念こそが正しいという考えが出てくる。だからゾルレン(あるべし)としての天皇と、ザイン(ある)としての天皇と二つの天皇が存在するわけです。


これが極端に進むと、ゾルレンの天皇を守るためには、ザインの天皇を殺してもいいという議論まで吐いた人もいました。意外かもしれませんが、これも右翼の考え方の一つなのです。


天皇は強い天皇であるべきだと決め込んでいるのです。たぶんそれは天皇を守りたいのでなくて、自分が守りたい天皇を守りたいのです。


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