(ラエリアンムーブメント・アジア大陸代表のブログより)

孫崎 享さんの記事です:

Date: Wed, 28 May 2014 20:27:22 +0900
Subject: 国民安保法制懇立ち上げー解釈改憲は立憲主義の破壊に等しい歴史的暴挙


5月28日、「政府の恣意的な“解釈変更”によって、これまで憲法が禁止してきた集団的自衛権行使を可能にすることは、憲法が統治権力に課している縛りを政府自らが取り外すことに他ならず、立憲主義の破壊に等しい歴史的暴挙と言わざるを得ない

を主たる主張点とすることを目的に、国民安保法制懇が立ち上げられた。


 メンバー12名は次のとおり。


愛敬 名古屋大教授(憲法)、

青井 学習院大教授(憲法)、
伊勢崎 東京外大教授、

伊藤弁護士、

大森元内閣法制局長官、
小林 慶大名誉教授(憲法)、

坂田 元内閣法制局長官、

長谷部 早大教授(憲法)

樋口 東大名誉教授(憲法)、

孫崎 享、

最上 早大教授(国際法)、

柳沢 元内閣官房副長官補。


 宣言文は次の通り。


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5月15日、安倍首相の私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)は、「限定的に集団的自衛権を行使することは許される」として、憲法解釈の変更を求める「提言」を安倍首相に提出し、同日、安倍首相は記者会見を開き、集団的自衛権行使容認の方向性を明言した。


 しかし、安保法制懇が掲げる事例は、いずれも非現実的であったり本来集団的自衛権行使の問題でない事例ばかりであり、集団的自衛権行使の本質が示されていない。安保法制懇が示した集団的自衛権行使の「条件」についても、集団的自衛権行使の歯止めになるものでもなく、また、「限定的」と言ったところで、他国同士の戦争に、一方当事国として参戦する集団的自衛権の行使の本質に変わりはない。


そもそも集団的自衛権は、戦争を他国に行う大義として利用されてきた歴史があることは自明の事実である


アメリカや韓国のベトナム戦争への参加、

旧ソ連のアフガニスタン侵攻、

NATO諸国のアフガニスタン攻撃などは、


ことごとく集団的自衛権の行使として遂行されてきたのであり、日本の「集団的自衛権」行使は、今後日本がかかる戦争に正面から参戦することを意味する。戦争の前線に国民を送り出し、命を落とす危険にさらすことの是非について、国民の間で真剣な議論がなされるべきであるにもかかわらず、安倍政権は、広く国民が真摯に議論するための正しい情報を伝えているとは言い難い。


 そればかりか、「政府解釈の変更」によって集団的自衛権の行使を容認しようと極めて拙速にことを進めており、主権者である国民を軽視していると言わざるを得ない


 集団的自衛権の行使が憲法上認められないということは、すでに確立した政府見解であり(1981年5月29日の政府答弁書等)、集団的自衛権の行使を認めるためには「憲法改正という手段を当然とらざるを得ない」とされてきた(1983年2月22日衆議院予算委員会・角田禮次郎内閣法制局長官答弁)。


 いうまでもなく立憲主義国家における憲法とは、国の統治のあり方を律するものあり、統治権力が遵守すべき規範である。


 政府の恣意的な「解釈変更」によって、これまで憲法が禁止してきた集団的自衛権行使を可能にすることは、憲法が統治権力に課している縛りを政府自らが取り外すことに他ならず、立憲主義の破壊に等しい歴史的暴挙と言わざるを得ない。


 私たちは、主権者である国民としてこの暴挙を黙認することは到底できない。かかる立憲主義の破壊に抗うべく、憲法、国際法、安全保障などの分野の専門家、実務家が結集し、ここに「国民安保法制懇」を設立する。


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孫崎 享

駐イラン大使 
外務省国際情報局*長 1997年-1999年 
駐ウズベキスタン大使(初代) 1993年-1996年

*米国のCIA,英国のMI6などに相当する
日本の情報局です。でも日本の場合は攻撃性
がないですね。


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