(ラエリアン・ムーブメントアジア大陸ガイドのブログより)



┏━■ ~大前研一ニュースの視点~ 
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┗ ┛『日本経済・日本国債・新規上場・公示地価~国内経済の実情を考える』
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日本経済 次の金融危機、震源地は日本か
日本国債 日本国債の持ち主、日銀と海外勢の比重高まる
新規上場 2013年度の上場53社
公示地価 三大都市圏の地価6年ぶり上昇

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 ついに「日本売り」が始まったのかも知れない
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ロイターは17日「次の金融危機、震源地は日本か」と題するコラムを掲載しました。

その中で、金融危機を引き起こす可能性のある国として常に名前が挙がるのは中国と南欧ですが、最も怪しいのは日本であると指摘。


もしアベノミクスが失敗とみなされれば、バブル化している日本の国債市場は壊滅的に崩壊する恐れがあり、また4月の消費増税で消費が落ち込んだ場合、日本には説得力のある選択肢が何もないように思われると指摘しています。


私は当初から指摘している通り、金融緩和・財政出動・成長戦略という方法は、不況対策として世界中で使われている方法であり、逆に言えばこの3つしか戦略がないのが実態です。


それを「アベノミクス」と命名して、さもオリジナリティがある戦略のように見せているのは滑稽にすら感じます。


結局、3番目の成長戦略は不発に終わり、それが日本経済に影響を見せ始めています


3月第2週の日本株ファンドからの純資金流出額は、約12億ドル(1200億円)になりました。


財務省が20日に発表した「対外及び対内証券売買契約等の状況」
によると、この期間の海外投資家による日本株投資額は1兆924億円の売り越しとなったとのことです。


前例のない売り越し状況です。


各種新聞は、ウクライナや中国の情勢に影響を受けた結果と報じていますが、何度も指摘しているように違います。


純粋に「アベノミクスへの不信感」が日本株に影響を見せ始めているのです

さすがに、ウクライナや中国の影響で1日900円も落ち込むことはあり得ないでしょう。

「日本売り」が始まっている可能性があると見るべきです。

そのような中、日本国債の保有比率では日銀保有と海外勢保有の割合が高くなってきています。


短期国債に限って言えば、海外勢が最大保有となってしまいました。

海外勢で80兆円、国内金融機関で600兆円です。


万一、海外勢が何倍かで売り浴びせてきたら、軽く10倍以上の効果を発揮するでしょうから、国内金融機関で保有している600兆円など撃沈します。


本当に日本は持ちこたえられるのか?買い支えられるのか?ということを世界中が懸念し始めているという状況だと思います。


さすがに中央銀行が暴落する可能性のあるものを抱え込むのはリスクが高すぎるとわかってきて、最近になって黒田総裁は日本国債の買いを控えるような動きを見せています。


今の日本は非常に注意する必要があります。
国債1000兆円は異常事態です。

成長戦略がなければ返済することは、到底不可能です。

どこかでジリ貧になって爆発するしかありません。

アベノミクスの効果で「給料が上がった」というようなこともあるようですが、国債そのものをどうにかしなければ、元も子もないのです。

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▼ まだ余裕がある上場市場。不動産にはやや遅れてお金が流れる。
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日経新聞によると、2013年度の上場会社は53社で、2014年度には70~80社と増加する見通しとのこと。

2008年のリーマン・ショック後は、停滞していましたが、今年はジャパンディスプレイを始め大型案件も増える見通しです。

市場全体で見ると株式の需給悪化要因になるとの指摘もあるとのことですが、お金がだぶついている状態ですから私は心配していません。

かつては1年間に100社以上、上場していたわけですから、その頃に比べればまだまだ慎ましいと言えます。


このくらいを消化するには、お金は十分に残っています。


この金余りの状況によって、不動産へお金が流れ始めました

国土交通省が18日発表した2014年1月1日時点の公示地価で、東京、大阪、名古屋の三大都市圏(全用途)は前年比0.7%上昇とリーマン・ショック前の08年以来、6年ぶりのプラスに転換したとのことです。

お金はあるのに需要がないという状況になると、最終的にお金は不動産へ落ち着きます。

株式にお金を入れても、落ちてきているので危険だという判断になり、今、日本では不動産に流れてきたのでしょう。


不動産はやや遅れたタイミングになるので、不動産が落ちるときは、すでに他の株式や債券は落ち込んでいて、急激に不動産を買ってくれる人がいなくなるという形になります。


この特徴は知っておいたほうが良いでしょう。

(※この記事は3月23日にBBTchで放映された大前研一ライブの
内容を一部抜粋し、本メールマガジン向けに編集しております)