小野寺五典防衛相は20日、宮城県大崎市で記者会見し「(民主党政権当時の)森本敏前防衛相も、オスプレイの性能には懸念は示さなかった。有用性を検討する必要はある」と述べた。
防衛省は、中国が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での挑発活動を激化させていることなどを踏まえ、自衛隊に離島奪還作戦が遂行できる「海兵隊的機能」を持った水陸両用部隊を設ける方針だ。オスプレイは従来型の輸送ヘリコプターより速度2倍、搭載量3倍、航続距離4倍と機動展開能力に大きく優れている。普天間から尖閣諸島まで直行でき、離島奪還作戦での部隊輸送や、東日本大震災のような災害時の救援活動にも活用が見込まれる。
防衛省は今年度予算から調査費を計上し、オスプレイ導入の可能性を探ってきた。今年6月、陸海空3自衛隊と米軍が米カリフォルニア州で離島奪還訓練を実施した際、海自のヘリコプター搭載護衛艦「ひゅうが」でオスプレイの発着艦訓練を実施。その際、オスプレイの性能を確認し、護衛艦とオスプレイを組み合わせた運用により機動力向上が見込めると判断した。
今後、配備先などの本格的な検討に入る構えで、年末の防衛計画の大綱改定に併せて策定される新たな中期防衛力整備計画にも、27年度からの導入を盛り込みたい考えだ。
オスプレイは日本国内で安全性を疑問視する向きが強いが、米国では今夏から大統領補佐官や警護官らホワイトハウスのスタッフの移動にも用いられている。また、自衛隊が運用することで、オスプレイの普天間配備に反対する地元の反発をやわらげる狙いもある。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130821-00000079-san-pol
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