「米国企業の利益につながる要求が相次いだ」
「交渉内容の情報が出てこない異常な秘密交渉」
「このタイミングで入るのは常軌を逸している」
「これまでの交渉で決まったものは変えられない」
「TPP推進派でさえ『勝ち取れるものがあるのか』と言う」
「日本の姿勢は勝ち取るものより最初から農業、医療、安全・安心の基準を守ると言い、最大限の獲得でゼロ、失敗すればマイナス」
「重要5品目を守るという発言は国際的には知られていない」
「交渉には秘密保持契約があり、この先、日本政府から交渉情報が出てくることはこれまで以上にない。厳格な契約書まで交わされる貿易交渉は類を見ない。そこにこそTPPの異常性がある」
以下に転載した十勝毎日新聞記事において、米国の市民団体「NPO法人パブリック・シチズン」の一員としてTPP交渉に参加している内田聖子事務局長により発せられているこれらのコメントを聞けば、「TPP参加」などあり得ない選択であることはもはや自明であろう。
本ブログでもこれまでのエントリーにて何度もコメントしてきたとおり、「TPP」とは多国籍企業があらゆる市場分野にて”独り勝ち”せんがための、不平等極まりない代物である。
即ち、多国籍企業とそれに与する一部の傀儡連中だけが”焼け太り”するための「収奪装置」だということである。
そして、これもいつも指摘していることであるが、大手マスゴミより、このTPPの”本質””悪質さ”が語られることは限りなくゼロである。
傑作なのは、今、政府と共に「TPP参加」に加担している大手マスゴミ各社(読売・朝日・毎日・産経・日経)の連中どもが、やがては自身が独占している「マスメディア分野」にも国際金融資本の”魔の手”がおよび、マスコミ各社自身も例外なく危機に晒されるということにまったく気づいていない点である。
まさに「灯台もと暗し」とはこのことであろう。
尚、「十勝毎日新聞」について、その名称より「毎日新聞社系列じゃないのか?」とお感じの方も多いであろうが、毎日新聞とは一切資本関係のない北海道のローカル新聞社である。
実際、つい最近、十勝毎日新聞社の実施したTPPに関する世論調査にて、「安倍晋三内閣支持率24.2%」と報じられた一件をみれば、大新聞よりよほど信頼のおける新聞媒体であることはまず間違いないであろう。
「では、これから我々国民はどうすればよいのか?」
その答えは、以下に転載した記事の結び部分にて内田聖子氏が主張している以下の言葉の中にあるのではなかろうか?
「断固反対を掲げた規模の運動継続とともに、政府に対しての主張をあらゆる形でロビー活動をする必要がある。政府の人と関わり、反対というだけでは無責任なので利害関係者として関与すること(が重要)」
即ち、我々国民一人ひとりが選挙区の議員・政治家に対して直接「TPP反対の意志を伝える」といった具体的な行動を起こすことが重要だということであり、小生を含めてただ単に口先だけで「反対だ」と言ってるだけではダメだということである。
あなたかその家族が医療関係に従事しているならば「医療分野」の利害関係者であり、それ以外の仕事なり学業に従事している方にしても、何某かの利害が損なわれることになるという自覚を持って対峙するべきだということである。
兎にも角にも、先日のエントリーにて取り上げたように、「アフラック」と日本郵政との提携劇にて「保険分野」の事実上の”乗っ取り”が早速に実行されたが、今後、”秘密交渉”であることを理由に政府よりまったく情報がない中で、突如として様々な産業分野において「多国籍企業による”乗っ取り劇”」を報じる報道が日本を席巻することであろう。
あらゆる産業分野における”乗っ取り”が、目に見えない水面下にて思いの外のスピード感をもって実行されている模様ゆえ、ボヤボヤしている場合ではないと強い危機感を覚える次第である。
(転載開始)
◆日本の獲得「ゼロ」 TPP利害関係者会合出席 内田聖子氏に聞く
2013年07月27日 14時20分 十勝毎日新聞社ニュース
<うちだ・しょうこ>
1970年、大分県別府市生まれ。93年慶応義塾大学文学部卒。都内の明石書店勤務などを経て、2006年から現職。ステークホルダー会合には3月のシンガポール、5月のペルーにも参加し、今回が3回目。
【東京】25日までマレーシアで開かれ、日本が参加した第18回環太平洋連携協定(TPP)交渉の全日程が終了した。現地で利害関係者(ステークホルダー)会合に出席したNPO法人アジア太平洋資料センター(東京)の内田聖子事務局長(42)が26日午後、東京都内で十勝毎日新聞社のインタビューに応じた。内田氏は米国企業の利益につながる要求が相次いだことや、交渉内容の情報が出てこない異常な秘密交渉であることを問題視した。(聞き手・関坂典生)
○重要5品目 知られてない
米国企業に利益異常な守秘契約
-ステークホルダー会合とは。マレーシアではどんな話があったか。
交渉参加国の利害関係者が価値観や主張を交渉官らに接して訴えるロビー活動をする場。企業、業界団体、市民団体などが参加している。TPP交渉は毎回、約10日間あるがそのうち1日だけ設けられる。
今回の会合は20日に開かれ、日本の正式参加前だったため米国の市民団体「NPO法人パブリック・シチズン」の一員として参加した。今回は各国交渉官らにプレゼンテーションを希望した交渉参加国11カ国の44団体がそれぞれ15分間行った。
-TPPは大企業のための協定と主張する人もいるが、どうなのか。
ステークホルダー会合の参加者に大企業が多いことや、米国企業がTPPで獲得しようとしていることはパブリックコメントを見れば明らかで、日本市場の関税や非関税障壁がなくなれば企業の利益となる。
-日本政府はTPPがプラスをもたらすと言う。交渉でのルールづくりへの反映も可能なのか。
このタイミングで入るのは常軌を逸している。これまでの交渉で決まったものは変えられない。推進派さえ「勝ち取れるものがあるのか」と言う。日本の姿勢は勝ち取るものより最初から農業、医療、安全・安心の基準を守ると言い、最大限の獲得でゼロ、失敗すればマイナスだ。重要5品目を守るという発言は国際的には知られていない。
-交渉に参加し情報は得やすくなるか。
交渉には秘密保持契約があり、何を話したのかも言えない。この先、日本政府から交渉情報が出てくることはこれまで以上にない。厳格な契約書まで交わされる貿易交渉は類を見ない。そこにこそTPPの異常性がある。
-今後、交渉はどういう展開になると考えるか。
年内妥結は崩していない。来月ブルネイで開催することも決まり、ハイペースでスケジュールを立てているので10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)には何らかの報告が出るだろう。
-世界の経済はどうあるべきか。
自由化が世界から貧困をなくしていない。
格差が徹底的に広がった。一部はもうけ、多くの人が幸せになっていない。
企業の経済活動は肥大化し、力を持った。
企業は放っておけば利潤を追求する。
暴走する企業に歯止めをかける存在として法律、労働組合、市民社会からの監視が必要だ。
-十勝では反対が盛ん。今後その声をどう国に伝えるべきか。
交渉に参加したので、断固反対を掲げた規模の運動継続とともに、政府に対しての主張をあらゆる形でロビー活動をする必要がある。
政府の人と関わり、反対というだけでは無責任なので利害関係者として関与することだ。
(転載終了)