人に気を遣える。

相手の気持ちを考えられる。

場の空気を読める。

それは、とても素敵な能力です。


でも、 長年身体を見ていると感じることがあります。

周りを見る力が強い人ほど、 自分の身体を見る時間が少なくなることがある。


相手は大丈夫かな。

嫌な思いをしていないかな。

迷惑になっていないかな。


意識がずっと外側へ向いている状態です。


その時、 身体の中では小さな変化が起きています。


呼吸が浅くなる。

肩に力が入る。

表情を作る。

身体が休むタイミングを失う。


本人にとっては、 それが普通になっていることもあります。


「別に無理していません。」

「これが普通です。」

そう言われる方もいます。


でも身体を見ると、 ずっと頑張ってきた跡が残っていることがあります。


優しさは大切です。

人を思いやれることも素晴らしい。


ただ、 自分を感じる時間も同じくらい大切です。


今、呼吸できているか。

身体に力が入り続けていないか。

本当に休めているか。


身体に意識を戻す時間は、 自分勝手になる時間ではありません。

自分自身とのつながりを、 取り戻す時間です。


周りを大切にできる人ほど、 自分の身体にも同じ優しさを向けてあげてほしい。

身体はいつも、 静かに今の状態を教えてくれています。

身体を変えたい。

もっと良くしたい。

痛みをなくしたい。

不調を改善したい。

そう思うことは、 とても自然なことです。


でも長年、 身体を見続けていて感じることがあります。

変えようと頑張っている人ほど、 今の身体の声を聞いていないことがある。


もっと鍛える。

もっと伸ばす。

もっと正しいことをする。

もちろん、 それが必要な時もあります。


でも身体は、 ただ修理するものではありません。

毎日一緒に生きてきた、 自分自身でもあります。


なぜ力が入るのか。

なぜ呼吸が浅くなるのか。

なぜ同じ不調を繰り返すのか。


身体には、 必ず理由があります。


長く続けてきた癖。

頑張り方。

我慢の仕方。

無意識の身体の使い方。

それらが今の身体を作っています。


だから必要なのは、 身体と戦うことではありません。


まず気づくこと。

感じること。

もう一度つながること。


不思議ですが、 身体は責められるより、 理解された時の方が変わり始めます。


身体を整える時間は、 悪いところ探しの時間ではありません。

今まで一緒に頑張ってきた身体を、 もう一度知っていく時間。


人生が変わるきっかけは、 大きな出来事だけではありません。

ひとつ深く呼吸できた瞬間。

余計な力が抜けた瞬間。

自分の身体に戻れた瞬間。


そんな小さな変化から、 始まることもあります。

年齢だから仕方ない。

もう若くないから。

昔とは違うから。

身体に変化が出てくると、 そう感じることがあります。


確かに、 年齢とともに身体は変化します。

20代の頃と、 50代、60代の身体が同じではないのは自然なことです。


でも長年身体を見続けていると、 感じることがあります。

すべてを年齢のせいにしてしまうのは、 少しもったいない。


身体が硬い。

疲れやすい。

呼吸が浅い。

動くのがおっくうになる。


その中には、 年齢だけではなく、 長年の身体の使い方が影響していることがあります。


何十年も続けてきた姿勢。

無意識の力み。

頑張り続ける癖。

浅くなった呼吸。

身体は、 毎日の積み重ねを覚えています。


だから逆に言えば、 身体は何歳からでも学び直すことができます。


もっと力を入れるのではなく、 余計な力に気づく。

もっと頑張るのではなく、 身体の声を聞く。

今の自分に合った使い方を覚えていく。


年齢を重ねることは、 身体が終わっていくことではありません。

身体との付き合い方が変わっていくこと。


人生後半だからこそ、 気づける身体があります。

身体は最後まで、 変化する可能性を持っています。