これはメディア史において実はかなり大きな出来事。
それなりに視聴率を獲得していた番組が、BSに以降する。
何故か。
昨年の4月よりテレビ局のビジネスの方法がかわり、
世帯視聴率
ではなく
13?49才にどれだけ見られるか
という指標でビジネスがされるようになったから。(厳密に言うと、テレビ朝日はまだ
そうなっていないし、TBSは50代まで)
13ー49才を日テレではコアターゲットと呼び、フジではキー特性と呼ぶ。
つまり、平成の間、日本が高齢化する中で、高齢者をターゲットにすることで、
世帯視聴率という指標で生き永らえてきたテレビ業界が、
やはり若い世代の方が消費する
という広告主の意向を受けた大きなビジネスモデルの変換と言える。
つまり、世帯視聴率をそこそことっていた 噂の東京マガジン は、新しい視聴率ビジ
ネスにおいては、
高齢層によく見られていることから、低視聴率番組と言う位置付けに変わってしまった
、ということ。
で、BSは番組表を見れば一目瞭然だが、「ほぼ高齢者が見るテレビ」という位置付けに
なっているので、
この番組をBSに移せばむしろ高齢者の視聴率がとれる優良番組にすることができる、と
いうこと。
かつて地上波で視聴率がとれなくなった巨人戦が、BSでは今やドル箱になっているのと
同じで、
こうした現象の番組が今後大変増えていくことになるだろう。
但し、BSは地上波程コストはかけられないので、どうしても質の下がった番組を高齢者
が見る、
と言う構造にはなっていってしまうだろう。
BSで流れる 噂の東京マガジン を地上波時代と比べてみると、何かのコストがカット
される
であろうのである意味で見所の一つとなるかもしれない。

地上波は49才までのもの。お年寄りはBSへ。
という棲み分けに明確に舵をきったテレビ業界だが、令和は平成以上に高齢化が進む。
この指標とこの切り分けの判断をすることにより、実際にテレビを見る人の実数は、地
上波はどんどん減っていき、
BSは増えていくことになるだろう。
これはテレビがマスメディアであることを捨て、ミドルマスメディアとでも言うべき存
在になろうと舵を切った、と言える。
公共の電波を使う以上、本当にこれがあるべき姿か、と言う議論も当然あるだろうし(
背に腹はかえられないのだろうが)、
逆にこれまで見たくもない健康番組が流れることによってテレビ離れしていた現役世代
からすると見たいコンテンツが
増えるという意味では良いことかもしれない。
いずれにせよ、テレビ業界のこれらの判断が、世代分断をある意味で産む芽になる可能
性もあるし、
シルバーデモクラシーなどと言われる高齢者中心の社会を打破させる可能性もあるし、
テレビ業界全体が活性化したり衰退することに繋がっていく可能性もあるし、
4月以降の噂の東京マガジンを中心とするBSと地上波の棲み分けに注目するとメディア
研究、社会研究
として面白いと思います。

https://news.yahoo.co.jp/pickup/6385095