3月6日に全国で上映される映画「Fukushima50」を鑑賞。
豪華キャストな上にシンゴジラのような緊迫感がずっと続き、最後まで飽きずに見るこ
とができました。
以下、簡単な感想を。

・ドラマというより完全にフィクション。あの時の報道で随分忘れかけていたことを思
い出しました。
あの3.11を日本人が振り返る意味で、この映画は永遠に残るでしょう。
実際、大学生たちと一緒に見たら、彼らは震災の時に10才くらいだった訳で、「自身
と放射能が大変だった」ということくらいは理解しているものの、ディテールをほぼ覚
えていないようで、こんなことがあったのか、と衝撃を受けていました。
リメンバー福島のためにも、きっと授業などでずっと見られ続ける映画となるでしょう


・授業などで、、、、と上記しましたが、文化庁の補助金も入っているのにも頷ける感
じで、大変教育映画のように見えます。
意識高い系の若者には響くように思いますが、普通の子やマイルドヤンキー系の子には
少々ハイブローな可能性もあります。
意識高い系には「日本人として3.11を忘れないために」「原発について改めて考え
る」といった切り口で宣伝し、
普通の人向けには「シンゴジラのような最高の緊迫感」「豪華キャストで辿る3.11
の裏側にあった感動秘話」などといったエンタメに振った切り口で宣伝するのが良いか
もしれませんね。

・渡辺謙をはじめ、出演する俳優は超豪華。みんな、知っている人ばかりで驚いた、と
学生たちも言っていました。
あとはシンゴジラにかなり作り方が似ていました。CGも結構すごかった。
まあ、当時首相だった菅直人氏がかなり悪く描かれていて、もちろん、彼は大変批判さ
れたのだけども、でも、悪意ある描き方にも見えました(そういう意味ではある意味政
治的な映画ではある)。

以下、一緒に見た学生さんの感想。

明治大学三年生
・なんで日本はアメリカの要請を受け容れなかったのか不思議に思った。
・総理はアメリカなど海外の目ばかり気にするし、東電本部は総理の目ばかり気にするしで、上層部が機能していないように感じた。もっと部下にも気を配って欲しい。
・総理が起こした行動がすべて裏目裏目に出ていて見ていられなかった。
・原発に残っていた方々が少し狂気じみているように見えた。私にはまだ、他人のために命を犠牲にする覚悟が備わっていないので、畏怖の念を抱いた。最初の方のシーンで任務を果たせずに「もう一度行かせてくれ!」「ごめんなさい」と何度も叫んでいた作業員が印象的だった。
・最後の方の、原発への対処を諦めて指令室(?)で最後を待つシーン。あまりにも悲しい場面だなと思った。一瞬で死ぬならまだしも、間もなく死ぬ時が来ると知りながら過ごさなくてはならないと思うと耐えられない。
・空軍の長が福島出身という話の真偽は分からないが、いい話だと思った。トモダチという作戦名も、驚くほど綺麗な話だと思った。
・原発事故に関してSNSの知識か何かで「東電がしくった」「東電が悪かった」というイメージが染み付いていた。映画を見る限り、東電が全面的に悪いわけではないのかなと思った。
・下手すると東日本全域が汚染された可能性があると改めて認識させられ、作業員の方々に感謝した。まさに決死隊だと思った。この10年間、作業員の方々を特に意識したことがなかったので、申し訳ない気持ちになった。
・海外で彼らがfukushima50として称えられているにもかかわらず、日本では然程取り上げられていないのはなぜだろうと思った。
・作業員のその後や現在の課題(復興の進捗)などを描いて欲しかった。
・用語が多くて最初の方は没頭しづらかった
・素敵すぎる話だと感じてしまい、フィクションじみたノンフィクションのように感じてしまった。原発による被害もあったと思うので、それが描かれているとより良かったと思う(現実味をより感じることができるので)
・原発を利用し続けるべきか否か改めて考えるきっかけになった。
・見終わった後にどっと疲れる映画なので、リピートはしないと思う。
・政治色が強かったので少し引いてしまった。

◎若者への売り出し方
・「Fukushima 50」日本映画史上初!米軍が撮影協力 https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000169640.html  という煽りに関心を持った。〇〇初!という言葉に若者は弱いかもしれない(限定感?)
・「英国政府が50年以上隠し続けた、天才アラン・チューリングの真実の物語」(イミテーションゲーム)のように、「隠された」「知られざる」という感じで煽ると知的好奇心が刺激されるかもしれない。 

さいたま大学二年生
福島県の原発事故を描いた映画は、今まではタブー感があったように思えるが、今回はそれに切り込んでいて面白かった。
叙述敷に話が進んで行くため、物語全体の波が少ないように思えた。それも、最初から東日本大震災の津波からスタートするため、常に最高緊張状態になって、途中観ていて少し疲れてしまった。そのため、どこのシーンをしっかりと観るのか予め決めて、何度か観るのか良いのかもしれない。
チェルノブイリ原発の映画も過去観たことあるが、それに対してこの作品は非常に感情的なものに思えた。何箇所も怒鳴るシーンがあり、どの判断が1番「間違った判断」をしたのか読み取れなかった。エンタメとしては、そのようなことがなかったためもったいないなと思った。
原発の爆発シーンや津波のシーンをは過去の日本の映画ではトップクラスの表現や CG がされておりすごく見所だと思った。どうしても過去の作品だと CG 感が出てしまい浮いてしまっていたような気がしたが、今回の作品はそこまで浮いておらずシンゴジラを制作した「白箱」が関わっていることも関係しているのだと思う。
おじさん達が頑張っている作品として、三匹のおっさんがおっさんズラブと言ったは作品が若者に受けた。そのような作品系統として押し出すためおじさん俳優が、多く出演していることを前面に押し出してみることはどうだろうか。
教育映画のような様相を呈しているためそれをいっそうのこと全面とに押し出してみ、見るべきと言ったことではしだしてみると、周りが見ているって言うことで見るんではないかなと思う。
おじさん達が代わる代わるカットで映し出されるのはすごくかっこいいと思う。
9年前で若者にとってはもう忘れている。特に関西地方に住んでいた自分だと思える。思い出してみようといった要素を前面に押し出してみると昔あったなということで観るのではないだろうか。平成を懐古するような作品が受けていたり、そのようなツイートが SNS でバズっていたりするのでその要素として東日本大震災のこの福島第一原発の話題があるとすれば面白いのではないでしょうか。
平成で忘れていないかということ。

立教大学四年生
この映画を観るまでは「フクシマ50」という言葉があることも知らなかったので、なんとなく聞き流していた原発事故の後ろでこんなにも犠牲になった人たちがいたということが衝撃でした。特に、2回目の爆発のときに作業員が血だらけになりながらなんとか生き延びた、というシーンがありましたが、
本当にスレスレの中で作業されていたということを改めて感じました。
また今では問題の中心としてしか話題にならない原発にも、愛やロマンを持って人生をかけた人たちがいたことが熱く描かれており、観られてよかったなあと思ってました。
個人的には「発電される電力は東京にいくんだよ」という幼少期のお父さんのセリフが印象的で、絆だとか言いながら他人事みたいに不自由なく生活していた東京人にグサっと刺さる言葉だったな〜と思いました。
どうやったらみんなが観に行くかという話ですが、
あえてシリアスな映画を選ぶか?と一瞬難しいのかなと思ったのですが、
考えさせられる系の若者需要って意外とあるのかも!と思い…
JOKERや万引き家族、パラサイトみたいな爆発的ブームにするのは難しいかもしれませんが、社会的に意識の高い子たち(オーストラリアの火災をストーリーにあげていたり、サステナぶってる感じの層など)一定層の若い子たちから「まじ価値観変わった…これを観たら日本を見る目が変わります」というかんじの口コミを広めていくのが現実的かなと思いました…映画詳しくないのであまり自信がありませんが一番ありそうなコースを考えてみました。