ただいま日本。
これが最後のシドニー日記。
最後にちょっと固い話。日本で昔より存在感がなくなってきたオーストラリアですが、市場として魅力的になってきていますよ。
また、日本より遅れているイメージのあったオーストラリアですが、移民問題も含め、日本がたくさん学べることがありますよ。
という話。日本企業の皆様、ご参考にしてください。そして、一緒に海外のマーケティングをしましょう。


オーストラリア市場の魅力について
バブルがはじけ、たくさんの日本企業がオーストラリアから撤退した。人口もたったの2400万人だから魅力がないと。しかし、景気が回復し、少し余裕が出てきた日本企業は、オーストラリア市場をもう一度見る時期にきているかもしれない。
世界6位の面積にしてまだこの人口なので、もっともっと移民は増え、人口は増えていくであろうこと。
人口は少ないが、フルタイムで働く労働者の平均年収は600万円と高い。また、人口が2億人いるインドネシアと比べると、可処分所得が年間400万円以上の人口は、オーストラリアは全人口の62.5%に相当する1417万人、インドネシアはたったの361万人。ちなみに、やよい軒はサバの塩焼き定食を1430から1760円の価格帯で出し成功している。
また、アジア系移民が増えている点も、ダイソーもアジア系が多いエリアに出店して成功しているように有利。
18歳から34歳のいわゆるミレニアルズが900万人いて、アジアのように大変若い市場であること。若い市場とは、消費意欲が多い市場であること。
オーストラリアの貿易相手国の一位は中国。二位は日本。オーストラリアから日本へのインバウンドは7年間で倍の50万人になっているし、リピーターも多い。動機は食やスキーが多い。もともと長く太い関係があり、鯨以外は親日的。

オーストラリアの若者について
18歳から34歳のいわゆるミレニアルズは900万人。アジアのように大変若い市場である。
移民の多いミレニアルズは、5人に1人が第二外国語が話せる。
3/4がシドニーやメルボルンなどの大都市に住む。
他の先進国同様、車を保有せず、カーシェアを利用する人が増えている。
若い世代程フェイスブックを使っているのはアメリカと異なるが、これは移民が多く、冠婚葬祭メディアと言われるフェイスブックが、母国などに近況報告するのにフィットしていると言われる。
オーガニック、サステイナビリティ、グルテンフリーというワードに響くミレニアルズは多い。
年に1、2回海外旅行に行き、滞在期間は2週間とか結構長い。安いチケットで安い民泊などで泊まるが、すきやばし次郎に行ったり、食や体験にお金をかける人が多いらしい。

オーストラリアを見習うべきことについて
オーストラリアの電車は時間によって料金が違う。4時から7時が帰宅ラッシュで最も高い。小田急線の複々線化のみならず、日本もこれをやったら?
オーストラリアは45歳以上に永住権を認めていない。だから、若い移民が来て、国が若く保てる。日本も見習ったら?
オーストラリアは会社の有給休暇を永遠に貯められるらしい。で、とれなかった分を退職時にまとめてとるらしい。働き方改革で日本も見習ったら?
オーストラリアでは選挙は義務。行かないと100ドルの罰金。日本でもこれをやれば、投票率は上がるし、支持母体に支えられて当選している政治家を落選させることができるのでは?

オーストラリアの特徴について
オーストラリアで欧米程、移民排斥やヘイトスピーチが起きない理由は、人口の少ない国が、移民によって発展してきた、という経緯があるから。そして、人口の多くが移民、または移民をルーツに持つから。しかし、移民の大都市部、特にシドニーへの集中、また、中国からのシドニーの不動産への投資により、異常な物価と賃料になっている。2000年から2015年で一戸建の住宅中央値はシドニーやメルボルンで3倍になっている。
なので、政府も外資規定を始め、移民も毎年20万人は入れるが、質の高い移民に絞るようだ。企業でも今はマネージャークラスがオージーが多いが、そのうちにアジア人がマネージャークラスを占めるようになると、不満が今より大きくなる可能性もある。
オーストラリアは個人主義の欧米諸国と違い、集団主義のアジアとも違い、その中間より集団主義寄りと言われているようだ。シドニー市のスローガンもシティオブビレッジだそうで、大変保守的なことがわかる。ちなみに、オーストラリアでは、日本の地方のように、大学より出身高校で評価が決まるそう。