私の働いているところは癌のかたばかりです。何度も入退院を繰り返して治療を行います。だから自分の働く前から通院、治療している患者様もいます。

 

比較的に高齢の方が多いですが、中には自分の親と同世代や、育児真っ只中の若ママとか。

十分長生きした人は緩和治療、ターミナル期という選択肢も提示できます。でも若い世代の人たちは生きないといけない色んな目的があるんですよね。だから私たちも患者様本人、ご家族の方みんながきっとジレンマを抱えています。どの方も治療が奏功し回復することが本当の目的、願いですが100%の人が良くなるわけではなくて。

 

いつかの話で、自分の親と同世代の方を、ターミナルのために転院のお見送りをしました。

転院の朝が来る前の2時ごろになっても患者様は全く眠れていなくて。「眠れそうですか、どこか体調が優れませんか?」と聞いたら

 

「このお世話になった病院で過ごすのが最後だから…。色々考えちゃうんだよな。」

 

と涙をためていました。約1年間の闘病生活の思い出話をしたり、その方のこれまでの生き方を聞きました。

初めの入院から見てきた方がこうやってターミナルに行く時、病魔に打ち勝つことができず悲しむ姿を見る時、私たちも心の中で悩み苦しみます。正直、慢性期や療養病棟ではないので心残りが多いです。だから私もうるっときちゃう時が多くなってきました、歳のせい?(まだ20代ですよ)

 

怒りん坊の患者さんにはどうやって話したらいいか未だにわかりませんが、話すことだけでも大きな役割があると感じます。さよならの時期になって、心の内に気づくのは遅いかもしれないけど、このエピソードの最後、数日間表情の暗かった患者様が「元気出た、ありがとう、サンキュー」とニッコリ笑ったのが忘れられないです。これで私も心に残っていた塊が溶けて救われた気分になりました。

 

こうやって自分達が救われることもあるから、出会いとお見送りの機会をナアナアにはしたくないのが仕事のマイルールの1つであります。

 

という最近のほっこり話でした。

 

こんな豆腐メンタルで自分でいっぱいいっぱいの人間でも、人の生死に関わって働けることとか、人の気持ちを感じることができるんだな。躁状態の時は。

 

ほなまたニヤリ