竹内洋輔(日本・SP24位)

禿山の一夜より

3Aが抜け、3-3でルッツがステップアウトでセカンドが2Tに。

3-3は入りのスピードが速すぎたように見えました。

元よりエッジジャンプがすっぽ抜けやすかったのですが…うーん、やっぱりここでも…。

1999年の夏くらいに4Tが降りられるようになったそうで、引き換えに3Aの調子がおかしくなってしまった、という。

結局それがずっと持続していたということもあったのでしょうか。

あとは、2002年1月に新松戸のリンクが閉鎖になったのも影響していたのかもしれません。

もっとも、全日本チャンプでオリンピック代表ですからサポート体制はあったとは思いますが…。

スケーティングの質の良さとスピード感、ステップの多彩さや振付は世界トップクラスと言ってもいいくらいとても良かった。

ホント、あとはジャンプだけだったんですよね。

フリーに進出できましたから、悔いのない滑りを!


リ・チェンジャン(中国・SP6位)

ジャンプが決まるたびに、「YES!」と叫びたくなる選手です。

ジャンプ、スピン、ステップ、スケーティング、スピード、どれをとっても一級品で文句なし。

そしてカンフーを取り入れた独特なプログラム、漢らしい力強い演技。

ジュベールはヤグプルを目標にするんじゃなくてチェンジャンを目標にすべきでしたよ、マジで。

正直SP2位でよかったやろ、という素晴らしい出来。

やっぱり4回転はこうでなくちゃね、と思わせる高くて幅のある、素晴らしい完成度でした。

惜しむべきは、単独アクセルが2Aなこと。

ルッツが苦手なので、単独ソロジャンプを得意な4Tにして、3Aをコンビネーションに回しちゃっているからですよね…。

それがなければもっと上に行けたのでは、と思います。


アレクセイ・ヤグディン(ロシア・SP1位)

長野オリンピックに続き2大会連続出場。

長野の時は芋っぽく、坊ちゃん然としていましたが、4年経ちイケメン兄貴になってオリンピックの舞台に帰ってきました。

曲はウィンターより

もう、有名すぎるくらいのプログラムなので今さら各要素を振り返らんでもいいか、と笑。

スケーティングそのものの質は、アブトの方が上だったと今でも思っています。

スピンやジャンプも彼より質がいい選手は数名いましたが。

一言でいうと、これはプログラムの勝利でしたね。

タラソワ・モロゾフ珠玉のプログラムの一つ。

かつてのクリスティ・ヤマグチと同じく、高難度ジャンプ、ステップ、表現力、スピンをある程度の高水準で全て揃えられる選手というと、やはり彼しかいなかったと思います。

ちなみに、喝采を浴びたトゥステップは現採点方式だとレベルが取れないらしい(加点要素にはなるのかもしれないけど)。


本田武史(日本・SP2位)

長野オリンピックに続き2大会連続出場。

ドン・キホーテより

こちらも有名すぎるくらいのプログラムなので今さら各要素は振り返らない笑。

4-3回転で4Tが危なっかしかったですがよく堪えて3Tに繋ぎましたね。

日本男子として初めてメダルに手が届きそうになった瞬間だったことや、これまでの彼の努力が結果として現れた瞬間なので嬉しすぎた記憶がありましたが、今改めて見ると、ちょっとプレゼンテーションが0.1くらい高すぎたかな、とも思えます。

プログラムをヤグディンと比較するのは酷ですが、ヤグディンのあとだとスピードが遅く見えてしまいますね。

うーん各要素といい、スピード感やスケートそのものの質は私にはチェンジャンの方が上に見えますね…。

単独アクセルが2Aと3Aの違い、なのでしょうか。


ドミトリー・ドミトレンコ(ウクライナ・SP21位)

長野オリンピックに続き2大会連続出場。

裸に花でも付けているのか、と思わせるような不可思議な衣装…。

3Aは回転が僅かに足りなかったか両足着氷でお手つき(転倒扱い?)で2Tを付けた。

フリップは2回転に。

元々才能溢れる選手でしたが、怪我に常に悩まされていて、結果が残せない状態が続いていたんですよね…。

なんとかフリーで挽回を!


リ・ユンフェイ(中国・SP14位)

2000年の世界選手権で6位に入った実力者。

いやー、すげーえげつないスピード。

若さ弾ける演技というか。4Tはお手付きで2Tを付ける。

本当は2Aではなく、3Aにしたかったのかもしれないが、状態が倒れそうな感じだったので空中で2Aにしたのかな。

スピンも早いし、ステップも迫力があった。

力任せにスピードで押し切ろうとしているように見えて嫌がるジャッジもいるかもしれないが、私は爽快感を覚えた。

基礎技術に癖がないからそう見えたのかも。