第94回全日本選手権大会 - 男子

 

 

三浦佳生→久々に見たのだけど、感想が「あれ、こんなんだったっけ?彼は」という。ケガの影響で滑り込みをできていないのが明白で、後半から目に見えてスタミナが落ちていったのが分かった。おそらく、ジャンプを決めるために振付を少し落としたのかなと思えるような感じで。スピンの精度もあまり良くないし、後半のイーグルも「とりあえず繋ぎ入れました」みたいな感じで、全然スケートが滑っていなかったし・・・。兎にも角にも、滑りの質が粗いように見える。とりあえず代表には決まったけれども、あとオリンピックまで2か月弱、どこまで詰められるのか。

理事会で友野くんを推す声が上がったというが、この滑りを目の当たりにしてしまったらそういう声が上がるのも致し方ないだろうと思えてしまった。

日本国内であれば滑走範囲と前半のスピード感で8点台なんだろうけども。。。オリンピック本番でPCSが8点台を貰えるのかどうかが甚だ疑問。

 

佐藤 駿→試合を重ねるたびに滑りの質が上がっているのが目に見えてわかるし、表現力も増していっているので本当に見ていて楽しみになる選手。ただ三浦くんとPCSがさほど変わらないのは、スピードが三浦くんと比べるとどうしても劣ってしまうことや滑走範囲が三浦くんと比べて狭いのも一つの原因なのかもしれない。滑りの質は明らかに佐藤くんのほうが上だと思うのだけど。

滑走範囲やスピードをこれ以上上げようとすると多分崩壊してしまう。

滑走技術は年数を重ねていくしかないのでオリンピックまでの2ヶ月弱は、現行の技1つ1つの精度を高めて行った方がいいのかも。

滑りの質が粗くはないので、佐藤くんの方が全日本並みのPCSがオリンピックでもそのまま出そうな感じがする。


鍵山優真→フリーの後、泣き崩れたが…。まぁこれじゃあ泣きたくもなるよなぁという。

マリニンはスケーティングはアレなものの、要所要所で印象的な繋ぎを入れたりして、観客を飽きさせないような演出を試みているが…それに対してこの鍵山くんのプログラムは…なんて言っていいのか。

まず本人がプログラムをどこまで咀嚼しているのか疑問。

言われたことを忠実に守っているのは見て取れるものの、湧き出るものがない、というか。

この辺は、北京五輪以降も基本的に変わっていないように思います。

2シーズン前のポップロック調のSPなんかはその最たるもので、多分歌詞からして少し退廃的な、脱力したような曲なのですが、冒頭の振りは妙に力を入れてしまっており…あれれ?ラジオ体操みたいだなと思った記憶があります。

ダンスが得意と聞いた時に「え、マジで?」と二度見してしまったほど。

そんなことを経て今回のプログラムですから…。

せめて振付や繋ぎ部分はマリニンより上に行きたかったところでしょうが、蓋を開けたらそう簡単には上手く行かない現実があり…だとするならばまずはノーミスが大前提だと思い込みすぎたのかもしれません。

仮に鍵山くんがノーミスだったとして、仮にマリニンが2ミスの出来でも上回るのはかなり難しいでしょう。

マリニンが4回くらいミスすればチャンスはあるのかもしれませんが。

佐藤くん同様、技1つ1つの精度をもっと上げることに没頭して、マリニンを一旦忘れて、プログラムの咀嚼に励んだ方がいいかと思います。

 

 



全体的にPCSのつき方に疑問が。

妥当だったのって青木祐奈くらいじゃないの?


坂本花織→SS9.5はまぁ国内大会だし目を瞑るにしてもPRとCOに9.5はやりすぎだろう。

PRとCOは100歩譲って9.0、冷静に見たら8点台後半じゃないの??

どこに愛の讃歌の要素があるのかさっぱりわからなかった。

エディット・ピアフに謝れよという笑。


島田麻央→あれだけの演技してPCS7点台はないだろう。千葉・中井よりスピードがあったし、ハキハキ演技してたぞ。

優勝されたらそんなに困るの?スケ連さん。


千葉百音→とにかく慎重に滑っていた。そのせいか音楽がただのBGM化していた。スケートが滑っている風に見せているように感じた。

この演技をオリンピックでやったら今日のようなPCSはまず出ないと思う。



中井亜美→SPの威勢の良さはどこへやら。借りてきた猫のようなおとなしい演技。とにかく失敗したくないという意思が感じられ、こちらも千葉同様、ノルマを淡々とこなしているような演技。

ジュニア時代の彼女を見た時に「ジャンプ(3Aだけ)以外特に印象に残らない」と思ったが、やっぱりその気持ちは今のところ変わらない。


青木祐奈→選手生活史上最高の演技。これぞフィギュアスケートという演技。坂本花織とは違うスケーティングのアプローチ。

坂本は筋力任せだが、こちらは本当にスケートという感じ。エッジを滑らせて音楽に合わせるというのはこういうことですよ、というお手本のような演技。

多分、表情からして今季で引退…なのかもしれない。

四大陸、派遣されてほしいなぁ。


岡万佑子→緊張感からか、いつものしなやかさはあまり感じられなかったけど、それでも3Aを決めてくるのは流石という感じ。あと気になるのがジャンプを飛ぶ前にちょっと詰まる癖があるみたいだけど…あの癖どうにかならないかな。ジャンプ前後でせっかくのしなやかさが台無しになるんだよなぁ。


樋口新葉→足の故障があるにも関わらず、あそこまでの演技をしたのが凄い。個人的には中井亜美、千葉百音よりもPCSを高くすべきではなかったか。

青木さんにそれが出来てなんで樋口さん、松生さんにはそれをしなかったのだろうか。

ジュニア時代からのあの無邪気で強気なスケートからしなやかさも加わって…。本当に感慨深い。

欲を言えばシニアに上がった時、岡島コーチから離れてカナダに渡って欲しかった。

そしたら、平昌でも北京でも個人戦でメダルが獲れていたんじゃないかと思う。

とにかく、スケートが本当に上手いと思わされた選手でした。

お疲れ様でした。引退後も幸がありますよう。





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