30.「天帝のはしたなき果実(新訳)」古野まほろ | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

30冊目

「天帝のはしたなき果実(新訳)」

古野まほろ

幻冬舎文庫

天帝のはしたなき果実 (幻冬舎文庫)/幻冬舎

¥1,040
Amazon.co.jp



勁草館高校の吹奏楽部に所属する古野まほろは、コンテストでの優勝を目指し日夜猛練習に励んでいた。




そんな中、学園の謎を追っていた級友が斬首死体となって発見される。




犯人は誰か?




吹奏楽部のメンバーによる壮絶な推理合戦の幕が上がる!




青春×SF×幻想の要素を盛り込んだ、最上かつ型破りな伝説の本格ミステリ小説が完全改稿され文庫化。








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私は普段あんまり、単行本で読んだものを文庫版で買い直したりはしないのですよ。




改訂前と比べてこのエピソードが増えたとか、言い回しがちょっと変わってるとか、そういうのを楽しむのも一興なのでしょうけど、そこまで細部まで読み込むタイプじゃないので。




だから発売してからしばらくは入手してなかったのですが、予期せぬことがふたつ。




ひとつは、人間関係が変わったり名前が変わったりと、改訂の域を超えた書き直しがしてあると聞いたこと。




もうひとつは、友人が古野さんの講演&サイン会に行って、「ここで買ったらサイン貰えるけどどうする?」と聞いてきたことでした。




そこで「要らぬ」と言うくらいなら、ファンを名乗ったり致しません!




というワケで予期せぬ入手になりましたが、読んでみました。




発売当初から読書メーターなんかで「新訳」と呼ばれてた本書。講談社ノベルズ版を「旧訳」と呼んで区別していたのを、正直『大仰な言い方だなぁ』と思っていたのですが、本自体に「新訳」と書いてありました。




公式見解なわけですな・・・




さて、内容の話。




ヒロイン詩織さんが美香さんに改名されていることは知っていたのですが、他にもあのキャラクターがいなくなってて、別のキャラクターに統合されてたり、居たはずの家族が居なくなってたり、逆に登場していなかった家族が出てきたりと、本筋と関係がないと言えば無いんですが、ひょっとして今後の物語に関わってくるのかなー、と少々楽しみにもなってくる改訂でした。




あと、まほろのとある限定的特殊能力がなくなってたのも、物語の展開上不必要っちゃ不必要なのかもしれないけれど、まほと柏木の愛情度が下がってしまったような、ちょっと残念な気持ちになってしまったり。




あと、メインキャラクターに関していうと、切間と由香里ちゃんの出番が若干増えたっぽい。




そのぶん割を食ったのは、柏木と奥平になるのかな?




それと、非常に枝葉末節な話なのだけど、作中に出てくるガールズバンド「RAPPA」が歌うシーンで、「めるしびあん、音楽の神様」という曲でみんなが大盛り上がりする場面があるのですが、そこがばっさりカットされてて残念至極。




意外と人気のあるシーンだと思ったのだがなぁ・・・




えー、だらだら長々書いてしまったのでそろそろ切り上げようかと思うのですが・・・




一回たりとも読んだことが無い人にはまったくもって役に立たないレビューだなぁ、これ。




まあ、もうちょっと詳しい感想を読みたいと思った方は、この記事 でも読んでくだされ。




こっちもこっちで大したことは書いてませんが・・・