16冊目
「JOJO'S BIZARRE ADVENTURE -OVER HEAVEN-」
西尾維新
かつて空条承太郎の手によって焼き捨てられ、エンリコ・プッチ神父が切望したDIOのノート。
世界の深淵で、DIOが探し求めた「天国」とは。
小説家・西尾維新が、禁断の手記を再生する。『VS JOJO』第2弾。
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と言うわけで、以前に読んだ「恥知らずのパープルヘイズ」に続いて出版された、『ジョジョの奇妙な冒険』のスピンオフノベライズ作品です。
舞台は第3部・「スターダストクルセイダーズ」。
語り部は、シリーズ史上最強の敵と言っても過言ではない男。DIOことディオ・ブランドーです。
と言っても、DIOはエジプトから動きません。
そんな中、日本では空条承太郎が父・ジョセフと出会い、エジプトにいるDIOを倒すことを決意します。
部下からもたらされる承太郎たちの動きや、迎え撃った部下たちのこと、はたまたDIOの目標である「天国へ行く方法」の考察、そして幼き頃やジョナサン・ジョースターとの戦いの記憶……。
そういうことがらを、DIOはただひたすら日記に書いていく。
本当にそれだけの話なんです(笑)
普通ジョジョのノベライズとなれば、新手のスタンド使いやスタンド能力だったり、何部のどこらへんとリンクさせるかだったり、そういうところが筆者の腕の見せどころだと思うのですが、新キャラは全く登場しません。
そんな、見事な裏切りをしてくれる西尾さんには、改めて感服しました。
他の人の感想とか見てると「地味すぎる」とか「拍子抜けした」とか、酷評する声も結構ありますけど、DIOやエンヤ婆みたいに濃い敵役が好きな私としては結構満足。
第3部を再読したくなりました。
さて、今年は舞城さんが書くジョジョコラボ作品が刊行予定ということで、そちらも楽しみです。
乙一さんの書いてるのも読まなくちゃなー。