1-3冊目
「楊令伝8 箭激の章」
「楊令伝9 遥光の章」
「楊令伝10 坡陀の章」
北方謙三
集英社文庫
2012年一発目いきまーす。
でも続きモノの楊令伝だから、ネタバレどころかあらすじも無しなんだけどーwww
と、謎のハイテンションで始めてみました。
で、何で3冊同時かというとですね……。
基本的に読了本レビューは読んだ順に書いてるんですが、この楊令伝みたく何巻も続いてしかも毎月出版されるような作品を後回しにしてたら頭が混乱するだろう、と読み終えたらすぐにレビューを書くことにしていたんです。
でも、この8巻以降は2012年になってからの刊行なんですよね。
だから2011年に読んだ本として列挙するのはおかしいのではないか、と今更感丸出しの律儀さを発揮してしまったワケなのです。
で、ここからがいつものネタバレ無し小噺です。
前にも書きましたけど、「水滸伝」初登場時には幼児だった楊令が立派な青年となっているこの「楊令伝」。
「水滸伝」の初期から登場している面々はかなり年を重ねているのです。
還暦を越えているひともちらほらいるくらい。
そうなると、これまでよりも病没(寿命も含む)するひとたちが当然のように増えてくるのですが、その描写がもう、すごくいいんですよ。
特に、10巻でお亡くなりになったひとの描写がもう…
そのひとは、梁山湖に寨を構えた頃から居る文官で、戦場にでるようなことはなかったので、どうしても地味な印象になっていました。
そんなひとの最期を、こんなに見事に書き尽くすなんて。
戦場を含め、これまで数多く散っていった命の中でも、かなり印象に残る最期でした。
10巻が終わって、全15巻の「楊令伝」もあと3分の1。
これからもおそらく多くの命が喪われることになるのでしょうが、それでも改めて続きが楽しみになりました。