揃う声 | 町に出ず、書を読もう。

町に出ず、書を読もう。

物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

むかしむかし、20年くらい前。
私が小学生の頃です。



子供会か何かの集まりで、4歳くらい年齢に幅がある子供たち(私を含む)が、うだうだと話をしていました。



どんなきっかけだったのかは忘れましたが、気付けば「自分の名前(ファーストネーム)の由来」という話題で盛り上がったのです。



誠実な子供になってほしいから「誠」だ、とか、

明るい子供になってほしいから「明」だ、とか、

そんな話です。



僕はこうだ。
俺はこうだ。
そんなどうでもいい話でワイワイと語り合っていたのですよ。



で、その中にヒデキくんという子がいたのです。



彼はまだ発言していなかったのですが、みんなもう薄々勘付いていました。



そこに集まっていたのは、1980年前後に生まれた子供ばかり。



そりゃあもう、ローラだろうYMCAだろうギャランドゥだろうリンリンランランソーセージーハーイハーイハムじゃないーだろう聞くだけ野暮じゃないか、ってなもんです。



そんな雰囲気を察したのか、ヒデキくんはおもむろに口を開きました。



「いやぁ、そのまんまなんですけど、ファンだったからそのまんま名付けただけらしいです」



あー、やっぱりそうか。
そんな空気が流れましたが、ヒデキくんの話にはまだ続きがありました。





「ばあちゃんが桃太郎侍の」





『そっち!?』






ヒデキくん(そういえば字も「英樹」だった)以外のみんなが、キレイに声を揃えてツッコミを放ったのでした。




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越後製菓のCMを見るたび思い出します。