28.「戦国自衛隊1549」福井晴敏 | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

28冊目
「戦国自衛隊1549」
福井晴敏 (原作:半村良)
角川文庫




自衛隊演習場で、新兵器の実験中に暴走事故が発生。


的場一佐率いる第三特別混成団が約460年前の戦国時代に飛ばされてしまう。


一方、その影響と思われる虚数空間(ホール)が日本各地に出現し、現代世界を侵食し始めた。


的場たちを救出するために組織されたロメオ隊の一員として、救出作戦への参加を決めた元自衛官の鹿島は、タイムスリップで戦国時代へ飛ぶが、そこに待ち受けていたものとは!?


圧倒的スケールで贈るSF戦国アクション。




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映画になった「戦国自衛隊1549」を元にしたノベライズ、という認識でいいのかな?



映画を見てないので何とも言えませんが、映画のストーリー通りに書いたのではないような予感。勘ですけど、福井さんだしね。



「福井晴敏が戦国時代ねぇ・・・」と、買っていながら手が出せずにいたのですが、いざ読んでみたら面白かった!



タイムスリップというSF要素や戦国時代という時代物要素が加わったくらいでは、福井イズムは微動だにしないんだなあ、と感銘を受けました。



そして福井イズムといえば、マッチョイズムとほぼ同義。
今回も漢汁ほとばしるアツい物語でもう、「狙ってんだろ!?流石にこれは狙ってんだろ!?」とか思った箇所もいくつかありましたが、それもまた善し。



女性が全く出てこないという訳ではなく、影が薄いキャラだったということもないのですけど。
ただ濃厚な漢汁のせいで(略)



タイムスリップ関連もなかなか緻密に設定されてました。



理論がハッキリしないので、事故の時と同条件の場を作り、同じ年数遡らせるのが一番確実だ。とか。



いくらタイムスリップ自体がメインじゃないからって、なんでもアリになると興醒めしてしまうので、そのへんのバランスが絶妙でしたね。





やっぱり読まずにあれこれ言うのは良くないです。
この本みたいに読んで大正解なものもありますしね。