あーるわん | 町に出ず、書を読もう。

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物語がないと生きていけない。社会生活不適合者街道まっしぐら人間の自己満足読書日記です。

見事あべこうじが優勝。決勝・最終決戦ともにその評価には文句なし。



最終決戦に進んだ三人にしても、どこからどう見ても実力・実績ともにトップクラスの三人で見応えがあった。



さっき録画したのを見終わったばっかりで、未だ興奮冷め遣らぬテンションでいるものの、ふと冷静に考えるとあべこうじの優勝は皆が望んでいたものではないのかなとも思う。



比べるのもおかしな話だとは思うけれども、Rー1はピンネタであればなんでもありというMー1等と比べてもかなり自由度の高い賞レースとなっている。



大道具もフリップもありだし、SE(音響効果)もOK。キャラクターで押すネタも多い。唯一の禁止事項といえば古典落語を含む既存のネタを使ってはいけないことくらい。



Mー1でセンターマイクを使わないネタをして立川談志に「お前らはここに来るべきではない」と言われたテツandトモのようなことは基本的にはありえない。



とはいえ、Rー1の『R』は落語の頭文字。第一回大会では座布団の上での漫談が義務付けられSEも不可だったという経緯を考えると、昨今のキャラネタ・フリップネタが大勢を占める状況には忸怩たる思いがあることは想像に難くない。というか私自身も、どんなネタだろうが面白いものは面白いとは思うものの、『話芸』と言える芸が少ないことはとても残念だと感じている。



三十歳の私がそう思うのだから、古株の番組スタッフや師匠と呼ばれる年代になる審査員達の心境はそれ以上のものだろう。



そう考えると、現在決勝に進めるような実力者で古き良きスタイルを貫いているのはあべこうじぐらいしかいない。



決勝に向けての意気込みとして「漫談が一番強いというところを見せたい」といっていたあべこうじだが、それは古典とは言わないまでもスタンダードな芸の衰退に憂いを感じている人達にとっても、是非見たい結末だったのではないだろうか。






まあそんな無粋なことをついつい考えてしまったのですが、そんなあれこれを抜きにしても、一本目のネタに比べると決勝ネタが色褪せて見えたエハラマサヒロ・なだぎ武を尻目に同じくらい高いクオリティーのネタを見せてくれたあべこうじの完全勝利だったことは間違いありません。これはセンターマイク一本でのネタに拘る多くの芸人に夢と希望を与えたことでしょう。



あべこうじさん。
優勝おめでとうございます。





ただ、



ただひとつ。



同意など得なくてもいいからひとつだけ言わせてほしい。



結果的に下位に甘んじてしまったけれど、我人祥太、良くねぇ?



板尾創路の高得点に激しく同意。
最初の『腹違い』のネタでハートを鷲掴みにされました。
あの毒々しいネタを出来ることならもう一本見たかった・・・